ジョルダンは11月27日、プレス向けに事業戦略説明会を開催。この中で、代表取締役社長の佐藤俊和氏は、「われわれはMaaS(Mobility as a Service)事業者になろうとしている」と、今後、MaaSを中心にビジネスを展開していく方針を改めて表明した。

ジョルダン 代表取締役社長 佐藤俊和氏

同社は今年の7月、100%子会社となる「J MaaS株式会社」(資本金:5000万円)を設立し、「MaaS」事業に本格参入することを発表。実際の移動手段の提供をさらに進め、利便性の向上と新たな収益源の獲得を目指していくことを明らかにした。

J MaaSは、鉄道や自動車メーカー、商社など、衣食住に関連する企業、交通・インフラ 関連の事業者との連合体により、MaaSビジネスを展開。タクシーやバスなどの多様な交通手段のほか、カーシェア、シェアバイク、自動運転など、人の移動全体をサービスと捉え、予約や決済機能も組み込み、ユーザービリティを高めていく。

  • J MaaSの事業領域

その第一弾として、8月には全国の公共交通情報のデータを配信するシステムである公共交通データHUBシステム(PTD-HS)を提供開始し、10月には「乗換案内」に、地図と「徒歩ナビゲーション」の機能を搭載し、出発地から駅までのみならず、駅からその先の目的地までをも含めた「ドア・ツー・ドア」の案内を実現した。

  • 「徒歩ナビゲーション」機能

また、同じく10月には、茨城県日立市で実施されるラストマイル自動走行の実証に参加することを発表。将来のバスの自動運転化を見据え、ルート検索、チケット購入、タッチレス乗車など、サービス体験の変化を実際に利用者に感じてもらうことで、サービス提供における課題抽出と改善策の検討に役立てるとしている。

佐藤社長はMaaSビジネスに注力する理由を、「日本は公共交通が発達しているが、MaaSが世界に浸透してきたときにガラパゴス化するのではないかという懸念がある。先進国であるフィンランドを越えるべく、動いていきたい」と語った。

同社では、共通プラットフォームとして「J MaaSプラットフォーム」(上の図参照)を提供。

佐藤社長は、「各社共通のプラットフォームになれば、他の会社も入りやすい」と語る。

今後同社では、東京オリンピックをにらみ、来年夏ごろを目処に、乗換案内の多言語化(13カ国)を実現するほか、チケット購入機能も搭載し、交通費&移動中の決済を一元化する予定だ。

  • 多言語化(英語)

  • チケット購入機能(イメージ)

なお、同社はスマホアプリの乗換案内において、2018年11月28日~2019年1月14日のうち2週間、通常、Plusモード(月額:税別360円)でないと利用できない「徒歩ナビ機能」、「乗車位置表示」、「前後列車・行き方」の3つの機能を無料で利用できるキャンペーンを開始する。利用するには、表示されたキャンペーン案内の画面で「今すぐ使う」をクリックする。そこから2週間、機能を利用できる。

  • 3つのアプリを2週間、無料開放