グーグルは8月8日、クラウド型デジタルホワイトボード「Jamboard」の国内販売を開始した。

  • 「Jamboard」の外観

    「Jamboard」の外観

Google Cloud ストラテジック アカウント スペシャリストの武市憲司氏は、従来のホワイトボードについて「会議室にいる人しか閲覧できないほか、デジタル空間にアイデアを移すのに時間を要することが課題となり、画面を共有しドキュメントをメール送信することで対応していたが、効率的ではない」と指摘する。

  • Google Cloud ストラテジック アカウント スペシャリストの武市憲司氏

    Google Cloud ストラテジック アカウント スペシャリストの武市憲司氏

新製品は昨年に米国で発売を開始しており、G Suiteのファミリー製品として提供。従来のホワイトボードの使い勝手を活かしつつ、コラボレーションのために開発されたクラウド型端末となり、企業や組織内でプロジェクトを進める上で欠かせないアイデアの交換を国や地域を越えてリアルタイムに実現するという。

手書き文字の自動テキスト変換やAutoDrawなど、機械学習を活用した機能を搭載しているほか、パソコンに加え、アプリをインストールしたタブレットやスマートフォンからも場所にとらわれず自由にブレインストーミングに参加することを可能としている。

また、スマートフォンやタブレットのようにタッチペンや消しゴムで描画できることに加え、オブジェクトの移動やサイズ変更も自然な操作で行うことを可能とし、電池不要でペアリング設定も必要がないという。

  • タッチペン

    タッチペン

  • 消しゴムは画面を擦れば文字が消える

    消しゴムは画面を擦れば文字が消える

武市氏は新製品に関して「G Suiteの効率性や生産性、リアルタイム性をいかに損なわずに馴染ませるかということに苦心したが、アイデア、保管、共同作業、会議の各フェーズで活用できる製品だ」と、胸を張る。

Googleハングアウトで表示することができ、アプリをインストールすればタブレットやスマートフォンから会議に参加することが可能なほか、Gmailアカウントを保有していれば社内外で自由なコラボレーションを可能としているおり、複数数台を連携させることができる。

さらに、描画ツールで図を描いたり、Webから検索でコンテンツを引用したり、Googleドライブやスマートフォンから画像、コンテンツをスクリーンに追加できるとともに、機械学習を利用し日英の手書き文字や図形などをテキストに自動変換する。

  • 手書きした文字「発表会」(左の写真)を自動変換(右の写真)
  • 手書きした文字「発表会」(左の写真)を自動変換(右の写真)
  • 手書きした文字「発表会」(左の写真)を自動変換(右の写真)

作業が完了した際は、すべて自動でGoogleドライブに保存され、セッションの作業履歴が同時に記録されるため、インタラクティブなやり取りの再現を可能とし、セッション収量時点の状態から別の端末で作業を開始することが容易だという。

加えて、軽量かつ安定した構造で設計されており、キャスターに設置して移動し、ケーブルは電源以外はワイヤレスとなる。

Google Cloud 日本代表 阿部伸一氏は、新製品を発売する意義について「G Suiteの特徴は100%クラウドで情報共有とコラボレーションができることが特徴だ。働く“現場”では、いかに早く遠隔地の人とアイデアを共有した上で業務に活かすか、ということがカギになる。日本は現場が大事な社会のため、働く人の働き方改革を支援するため、Jamboardを発売する」と述べていた。

  • Google Cloud 日本代表 阿部伸一氏

    Google Cloud 日本代表 阿部伸一氏

価格は、いずれも税別でJamboardが64万円(タッチペン2本、消しゴム、壁掛け用マウント1個含む)、Jamboardソフトウェアライセンス(年間管理費、ソフトウェアアップデートおよびサポート費用含む)が年額7万7000円、オプションサービスのキャスターつきスタンドが17万3000円、配送・組立て・動作確認のベーシックサービスが4万1000円、設置前コンサルテーション、配送・組立て・動作確認・設置後の導入支援のプレミアムサービスが18万9000円。