シーイーシー(CEC)は7月11日、スマートウォッチやモバイル端末に対応した工場向けの作業支援システム「SmartFollow(スマートフォロー)」を提供開始した。価格例は、サイトライセンスで280万円/10ユーザー(税込)。
新システムは、工作機械やロボット、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)などの設備の稼動情報とモバイル端末・ウェアラブル端末を連携し、緊急度・優先度の高いインシデントを、即座に工場内の管理者・作業者に通知するもの。
マルチメーカー対応の設備稼動監視・実績管理システム「Facteye(ファクティエ)」との連携も可能とし、国内主要メーカーのロボットやCNC(コンピュータ数値制御)に幅広く対応することで、稼動状況・アラーム情報に基づいた迅速な意思決定と異常の早期発見を支援。
同システムは「とまらない工場」を実現するラインアップの1つとして開発し、変化する製造現場における多様なインシデント情報を、指定した現場作業者や保守担当者のモバイル端末へリアルタイムに通知し、ダウンタイムの最小化や迅速な復旧対応をスムーズにナビゲーションできるという。
主な特徴として「工場の多様なインシデントのリアルタイムな共有・通知」「多品種少量生産による品種・段取り替えが多い現場の円滑なコミュニケーション手段として使用可能」「各種IoTデータ利用サービスとの豊富な連携」の3点を挙げる。
インシデントのリアルタイム共有・通知については、インシデントごとに通知先の作業員を設定が可能なほか、モバイル画面上で作業者の範囲・レベル・作業可否判断などが確認できるという。「いつ・誰が・対応したか」に加えて、対応が完了していない場合はインシデントを繰り返し再通知して工場全体で進捗の共有を可能としている。さらに、多品種ライン、多工程持ち・多台持ちなど多様な生産形態に応じて、作業者に依存せずインシデントの対処漏れや対応遅れを抑止する。
コミュニケーション手段に関しては、工程間での作業内容の可視化や、設備トラブル情報の通知、加工終了前の後工程への事前通知など、工程間での準備・段取り時間短縮が図れることに加え、部品欠品を防ぐために、迅速な供給依頼の通知により「とまらない工場」の実現を支援する。
IoTデータ利用サービスとの連携については、まず工場IoTデータの可視化サービス「Visual Factory」と連携でき、工場全体の可視化・自動化への取り組みを支援。Facteyeとの連携ではCNC、PLC、ロボットなどの設備から信号情報やアラーム情報を直接取得でき、稼動状況に基づいた迅速な意思決定や異常の早期発見を実現するという。なお、Facteye以外にも他社製IoTツールや生産設備、既存システムとの連携も可能としている。
提供構成は、スマートフォン端末、初年度保守・サポート費用であり、スマートウォッチにも対応可能とのこと。ただし、スマートフォンを含めAndroidのみに対応する。