ALSOKは6月26日、通行車両の移動方向を検知するセンサーと工事用信号機を組み合わせ、交通誘導業務の品質向上及び生産性向上に寄与するという「ALSOK交通誘導システム」を開発したと発表した。2018年3月から埼玉県内で試行運用を実施し、試行エリアを順次拡大しているとのこと。

  • 構成イメージ

警備業務では有効求人倍率の増加が続いており、生産性向上が業界の課題となっているという。

また、その中でも交通誘導警備は屋外で従事する場面が多く、さらに通行車両の近くで業務を行うため、受傷事故の防止や熱中症の予防などの安全対策が必要だとしている。

同社はこれらの課題を解決するために、高精度に通行車両の有無や移動方向を検知するセンサーと工事用信号機を組み合わせた新システムを開発したという。

実際の交通誘導員が行う判断手法を搭載しているといい、システムが工事区間内を安全と判断しなければ進行指示(青信号)を表示せず、また、誘導無視(信号無視)が発生した場合は即座に警報を出力し、後続車の進入を抑止する機能を搭載している。

  • 端末の操作画面

同製品のシステム構成は、工事用信号機、車両通過検知センサー、停車検知センサー、制御装置、操作端末からなる。

工事用信号機は、赤・青の縦方向二型。車両通過検知センサーは、路側帯や工事区間内に設置して通行車両の移動方向を検知する 。 停車検知センサーは、路側帯に設置して赤信号で停止している車両を待ち時間短縮のために検知する。

制御装置は、各種センサー及び信号機の制御及び片側交互誘導の判断処理を搭載する。

操作端末は、システムを監視する交通誘導員が所持する。システムの動作開始及び終了操作、異常発生時の警報表示が可能とのこと。

同社が参考として挙げている対応可能な規制形態は、規制区間が200m以下かつ交通用の信号機が無い、見通しの良い直線道路、踏切や交差点が無い、交通量が少ない(目安は1時間あたりの上下線合計が60台)の4条件を満たす片側交互交通規制。

試行エリアは埼玉県であり、他エリアについても調整中としている。