NECは4月20日、愛媛県西条市がスマートシティ構築トライアル事業の一環として行う「高齢者見守り支援サービス」に、コミュニケーションロボット「PaPeRo i」をはじめとしたICTソリューションを提供し、実証実験を行うと発表した。
同サービスは、顔検知機能やLEDランプによる感情表現などのロボティクス技術、音声認識AI技術、さらにクラウドサービスを融合し、一人住まいの高齢者の安心・安全な暮らしをサポートするとともに、高齢者と離れて暮らす家族とのコミュニケーションを豊かにすることを目的としたもの。高齢者と家族だけでなく、自治体や関連団体の職員(ケアマネージャーなど)も見守りに参加できる。
「PaPeRo i」には、朝/昼/夕の1日3回、高齢者の顔を検知すると「写真撮っていい?」と問いかけ、撮影した写真をSNSに送信する機能が搭載されている。家族がスマートフォンで写真を確認できるだけでなく、温度と湿度の情報も確認できるので、熱中症予防などのケアに役立つという。
また、家族が撮影した写真やビデオ、テキストのメッセージを見守り対象の高齢者に送信することもできる。例えば、写真が送信された際に高齢者が「PaPeRo i」の前に来ると、「写真が届いたよ」とロボットが声をかけて、接続されたディスプレイに写真を表示。テキストの場合は音声に変換して読み上げる。
そのほか、高齢者が「PaPeRo i」に対し、本体に付属のボタンを押して「明日の天気は?」「ニュースを教えて」などと話しかけると、天気予報やニュースの情報を音声に変換して教えてくれる機能も搭載。写真撮影や時刻など全15種類のリクエストに応えられるという。
なお、実験は、西条市が2018年5月よりサービス参加希望者を募集し、7月から9月までの3カ月間実施する。その結果を分析し、2019年4月よりサービス提供を開始する予定だ。