リコーのグループ会社であるリコーインダストリアルソリューションズは3月29日、設備や機械が発する振動を可視化するセンシングシステムを開発したと発表した。

  • 新システムのイメージ

    新システムのイメージ

新システムは、独自開発のセンサとデータ解析技術を組み合わせることで、設備や機械の異常を検知するために必要なデータの抽出を可能にしたという。

これにより、製品の品質に影響する製造機械の異常振動や突発的な衝撃、健全性の確認など、これまで把握できなかった状態特性をリアルタイムに数値化して把握を可能としている。

また、工場での利用のみならず、公共交通機関や常時稼働しているインフラ機器の状態監視など、多様な用途に展開できるという。機械の故障未然防止やダウンタイム短縮、メンテナンスの簡素化といった安定した設備稼働の実現とともに、将来的には予兆保守への取り組みといった新たな付加価値を随時提供していく。

同システムの技術優位性として「必要成分のみを抽出可能な独自の振動や音響の解析技術」「ユーザー向けにデータを最適化するAI(人工知能)プログラミング」「生産性と品質向上に貢献するコントローラ技術」の3点がある。

解析技術については、外乱やノイズに埋もれた信号から必要な成分だけを取り出す独自の解析技術を応用し、設備や機械で発生する多様な振動や音響データを診断や検知に利用する。

AIプログラミングに関しては、振動から抽出したデータからユーザーが利用できるスコアを生成し、ユーザーが直接振動データを分析、解析しなくても有益な情報を得られるような指標やメッセージを提示するという。

コントローラ技術は、FA、金融、医療、インフラなど多様な領域で採用されており、コントローラビジネスで培った技術を同システムに展開し、信頼性の高い製品を提供するとしている。