新iPhoneは「iPhone X化」が進む?

ゆえに今年も、アップルの業績を大きく左右するのはやはりiPhoneとなる可能性が高い。だが今年はアップルにとって、新たな新機軸を打ち出す年ではないと筆者は見る。

確かに昨年は、長く続いた従来のiPhoneのスタイルを大きく変え、買い替えを促す意味でもiPhone Xを投入する必要があった。だが既に新機軸を打ち出した今年は、普及価格帯のモデルにiPhone Xの要素を取り入れ、全般的なリニューアルを図っていくことを優先するものと考えられるからだ。

具体的には、前面をディスプレイが占めるデザインや、Face IDなどが、iPhone 8クラスのスタンダードモデル、そしてiPhone 8 Plusクラスの大画面モデルにまで導入されるものと予想される。スタンダードモデル以上の全モデルにiPhone Xの要素が入ることで、ラインアップ全体でリニューアルを図るというのが、今年のアップルの大きな取り組みになるのではないだろうか。

  • iPhone Xの画像

    今年は縦長の全面ディスプレイやFace IDなど、iPhone Xの要素がスタンダードモデル以上に入ってくる可能性が高く、ラインアップ全体でリニューアルが図られると見られる

その際問題となってくるのは、新しいiPhoneを製造するのに必要な部材調達の難易度が上がっていることだろう。特に気になるのは、生産できる企業がまだ非常に限られている、有機ELディスプレイの採用だ。当面の間、有機ELディスプレイの調達はサムスンディスプレイに依存せざるを得ず、価格低下を見込みにくいからだ。

それゆえもし全モデルに有機ELを搭載するとなると、従来モデルよりも価格が上昇してしまうこととなる。価格を考慮するならば、液晶ディスプレイのモデルと、有機ELの2モデルが登場する可能性もあるかもしれない。