NTTドコモと共同で39Meister事業を運営するハタプロは12月26日、39Meisterチームが長野県大町市と共同で2017年秋季にかけて実施した、北アルプスの山中において複数の中継装置を用いたLPWA(Low Power Wide Area)の通信実験の結果を発表した。
長野県大町市では、北アルプスの湧水を複数の拠点施設を経由して各戸へ運んでいるが、水源となる配水池は北アルプス特有の複雑な地形や積雪などの環境の中にあり、その管理・運営は容易ではない。IoT機器の導入による遠隔管理を目指そうとしても、携帯電話回線が圏外である上、長距離伝送が可能なLPWA通信機器でさえも通信ができないなどの課題があったという。
そこで、39Meisterチームは長距離のLPWA通信を行うために、送信機・受信機に加え、新たに3台のLPWA中継装置を導入したLPWAの通信ネットワークを北アルプス地区に構築。その結果、単一のLPWA通信機器であれば1km程度で通信が途切れてしまう環境であっても、中継をさせることにより合計4km以上の伝送ができるようになった。山中は携帯電話回線が圏外であっても、最終受信ポイントにおいては携帯電話回線の圏内であることから、今回のLPWA通信距離の延伸によって、将来はLPWA受信機を公衆無線通信網へと接続して、さらに遠隔でデータの確認を行うことも可能となり、LPWA通信の可能性をさらに広げることに成功したとしている。