日立情報通信エンジニアリングは11月9日、コンタクトセンターや営業窓口向けに提供している音声録音システム「RecwareIII(レックウェアスリー)」を刷新し、音声データ収集基盤「RecwareX(レックウェアエックス)」として12月1日から販売を開始すると発表した。

RecwareXを使用したシステムの概略構成例

同製品は、RecwareIIIで提供している機能に加え、クラウド環境での利用に適したシステム使用状況を可視化する「リソース使用状況レポート」機能を付加し、ライセンス使用数に応じた月額料金プランを追加。これにより、初期費用を抑えた導入を可能としている。

同時録音・管理では1000チャネル/録音サーバ1台、1万チャネル/同時録音管理を可能としている。席数増件に柔軟なシステム構成を可能とするため、オールソフトウェア化を実現しており、スケーラビリティを確保する。日立、AVAYA、Cisco、Genesys、NEC、OKIなどのPBX、タカコムの通話記録製品と連携し、IP電話と混在した環境でも一元管理を可能としている。

また、音声パケットによる録音開始(通話イベント非依存)、送受話分離録音など録音品質を確保しているほか、録音サーバの多重化や録音データリカバリ機能など可用性を高めている。さらに、倍速/低速/リピート再生、追かけ再生/モニタリング再生、音声マーキング、スクリーンレコーディングなど、Quality Management機能を備える。

録音データ管理ではアクセス制御(5階層の権限)、ロケーションに依存しないアクセスレベルの設定、録音再生申請/承認ワークフロー、アクセス制御可能な関連部門共有ボックス、暗号化(ES256bit)などを可能としている。

今後はPCIDSS(Payment Card Industry Data Security Standard:クレジットカード会員データを安全に取り扱うことを目的として策定されたクレジットカード業界のセキュリティ基準)への対応を予定している。

さらに、音声認識システム「Recware/SA(Speech Analytics)」と連携し、テキスト化、データとして分析、可視化することで「お客さまとの会話」をトラブル防止やコンプライアンスの用途だけでなく、コンタクトセンターや営業店舗窓口の業務効率向上や製品サービスの新たな価値創出につなげるという。

料金プランは月額料金プランとライセンス販売プランを用意。月額料金プランは保守料を含み、契約単位が1年/2年/3年で、1年契約(100チャネル同時録音システム)で70万円(税別)~、ライセンス販売プランはパッケージライセンス(ハードウェア、一時費用、保守料は別途)となり、900万円(同、100チャネル同時録音システム)~。