日本マイクロソフトは11月1日、利用者数を300名以下に限定した中小企業向けの統合ソリューション「Microsoft 365 Business」を含む、「Microsoft 365」の国内提供をを発表した。

「Microsoft 365」はOffice 365、Windows 10、マルウェア、ウイルス、スパイウェアなどから保護するWindows Defender、デバイス管理、Skype for Business、Microsoft Teamsなどを統合した製品。今年の7月、米国で開催された同社のパートナー向けイベント「Inspire 2017」で発表された。

「Microsoft 365」

すでに大企業向けのライセンス「Microsoft 365 EnterPrise(E5:月額6220円)」、オフィス内ではなく、現場で働く従業員向けライセンス「Microsoft 365 F1(月額1060円)」、教育機関向けのライセンス「Microsoft 365 F1(A5:月額1180円)」は提供開始済みで、新たに中小企業向けに「Microsoft 365 Business」を同日より提供する。

「Microsoft 365」のラインナップ

「Microsoft 365」には、Office 365に加え、Windows 10もパッケージ化されており、2020年1月にサポート終了を迎えるWindows 7から、Windows 10へのアップグレードを促す狙いもある。

コミュニケーションツールとしては、チャットベースのワークスペースMicrosoft Teams、Skype for businessが利用できる。

Microsoft Teams

同社は「Microsoft 365 Business」を「中堅中小企業改革を支援するベスト版」と位置づけており、「オフィスの外でもチーム力を強化できる」、「ITスキルに依存せず、全社員の仕事をよりクリエイティブにできる」、「情報漏洩を防止し、リモートワークをよりセキュアにできる」、「管理者不在でも容易な導入・管理が行える」という4つのメリットがあるとした。

導入・管理については、Microsoft 365 EnterPriseはActive Directoryベースの管理になるが、「Microsoft 365 Business」は、IT管理用の画面が用意され、従業員のアカウントセットアップと展開、ユーザーとデバイス管理をダッシュボードで行える。中小企業向けに簡略化されたデバイスポリシーベースの管理も行える。

管理画面

また、Windows AutoPilotによるPCのセルフサービス展開も可能で、現在はSurfaceのみだが、来年初旬にもHP、東芝、レノボ、パナソニック、富士通など、サードパーティ製のPCもWindows AutoPilotに対応するという(対応状況については、今後発表される各社の情報を参照のこと)。

日本マイクロソフト 執行役員 常務 マーケティング & オペレーションズ部門担当 マリアナ カストロ氏

Microsoftが14カ国で4000社のビジネスパーソンに対して行ったアンケート調査では、「非常に高い生産性を発揮できている」と回答した企業の割合は、アジアでは49%に対して日本は9%、「組織内外で非常に強力的な関係を確立している」と回答した企業の割合は、アジアでは48%に対して日本は11%、そして、「いつでもどこでも柔軟に働ける」と回答した企業の割合は、アジアでは46%に対して日本は6%と大きな差がある。

日本マイクロソフト 執行役員 常務 マーケティング & オペレーションズ部門担当 マリアナ カストロ氏は、「日本はアジアとのギャップがあり、ここにチャンスがある」と、国内の中小企業市場に期待寄せた。