パブリッククラウドサービスである「Alibaba Cloud」を日本市場向けに提供するソフトバンクグループのSBクラウドは7月18日、日本と海外のデータセンター間において高速で安定したクラウド間通信を行う「Express Connect」を提供開始した。料金は、日本と中国の間で1日当たり108Gbyte(10Mbps回線相当)のデータ送信可能なプランの場合で月額29万5600円(税別)。

Express Connectのイメージ

新サービスでは、日本企業の自社設備と海外の多様なクラウドを接続するために、同社の日本国内データセンターと、エクイニクスが「International Business Exchange (IBX)」データセンターを介して提供する「Equinix Cloud Exchange」のサービスおよび米Packet Hostのベアメタルクラウドサービスを相互接続する。

Equinix Cloud Exchangeサービスは、インターネットを介さずにパブリッククラウドや企業のプライベートクラウドに直接接続する相互接続サービス。Express Connect経由で、SBクラウドの日本国内データセンターへのセキュアで高速なアクセスを可能とする。同サービスは世界21都市で展開しており、Alibaba Cloudの海外データセンターにおいても相互接続が可能だという。

また、SBクラウドの国内データセンターとPacketのベアメタルクラウドサービスとの相互接続により、Alibaba Cloudの仮想サーバサービスと拡張性にすぐれたベアメタルクラウドサービスを同時に利用できる、マルチクラウド環境の構築が可能。

Express Connectは「ダイレクト・アクセス」と「VPCコネクション」の2つのサービスで構成される。

ダイレクト・アクセスは、Equinix Cloud ExchangeサービスやPacketのベアメタルクラウドサービスによりユーザー企業のデータセンターやプライベートネットワーク設備などとSBクラウドの国内データセンターを接続し、ユーザー企業がハイブリッドクラウドやマルチクラウド環境を構築できる。今後、接続方法を増やす予定で、ユーザー企業の多様なビジネス展開に対応するとしている。

VPCコネクションは、SDN(ソフトウエア・デファインド・ネットワーク)アーキテクチャと独自のスイッチ仮想化技術による専用ネットワークであり、SBクラウドの日本国内データセンターとAlibaba Cloudの各国データセンターを接続。インターネット経由の接続と比較して、より高速で安全に、また安定的にクラウド環境間の接続が可能だという。特に、インターネット通信が不安定な日本と中国間の接続に適するとしている。

サービス開始時点では中国の杭州・上海・北京・深セン(センは土偏に川)・香港、米国の西部と東部、シンガポールのデータセンターに接続可能であり、ドイツ、オーストラリア、アラブ首長国連邦(ドバイ)のデータセンターへも順次接続を予定している。