富士通と米Mirantis,Inc.(ミランティス)は、OpenStackとオープンソース技術を用いたビジネスユーザーのプライベートクラウド基盤導入を支援する戦略的業務契約を締結したことを8日、発表した。

米Mirantis,Inc.(ミランティス)は、Iaas環境を構築できるオープンソースソフトウェアOpenStackのコントリビューターとしても名を馳せる企業。OpenStackを使ったクラウド構築やサービス、トレーニング、サポートをグローバルで展開する企業で4月には、Dockerコンテナ管理ツールKubernetes(クーベルネイテス)を統合した独自の商用ディストリビューション「Mirantis Cloud Platform 1.0」の提供も発表している。

両社は、プライベートクラウドにおけるOpenStackのマネージドサービスの戦略パートナー契約を締結。「Mirantis Cloud Platform」やミランティスのBOT(Build-Operate-Transfer)方式での導入から運用へのシームレスな基盤提供方式と富士通が持つハードウェアからソフトウェア、サポートまでの総合力を組み合わせた新しいプライベートマネージドOpenStackとして6月末から提供する。

ミランティス 共同設立者 兼 CMO ボリス・レンスキー氏は「今日、パブリッククラウドでは、お客様がクラウド基盤のソフトウェアの詳細を意識する必要がありません。同様に、プライベートクラウドにおいてもお客様は、クラウド基盤をAPIで管理でき、さらに継続してエンハンスが行われるなど、サービスとして利用できるようになっていきます。今日、富士通を戦略的パートナーとして迎えることにより、多くのお客様にこの価値を提供できることをとても喜ばしく思っています。」とプライベートクラウドを展開しようとするユーザー企業に新たな価値を提供できることを述べている。

富士通 プラットフォームソフトウェア事業本部 本部長 田中克枝氏は、「本協業を通して、富士通のOpenStackベースのプライベートクラウドビジネスが拡張でき、お客様に提供できることを我々も楽しみにしています。ミランティス社独自の基盤提供モデルと富士通のミッションクリティカル分野向けハードウェア・ソフトウェアおよびサービス商品と、それらのサポートサービスを組み合わせることにより、大規模な企業のお客様が、オープンクラウド基盤を安心して採用いただけると確信しています。」と業務遂行に不可欠なエンタープライズ分野を中心にプライベートクラウドを安心して導入・運用できる仕組みが構築できることを述べている。