インフィニダット ジャパンは2月23日、都内で記者会見を開き、SCSKとサービスパートナー契約を締結し、Infinidatのストレージソリューションの日本市場における販売で協業することを発表した。今回の合意により、SCSKの営業体制のもと、Infinidatのストレージソリューションを顧客に提供する体制を構築した。

Infinidat製品の基本コンセプトの概要

今回の契約締結により、両社はハイエンドストレージ「InfiniBox」の日本市場での拡販を推進し、通信、金融、製薬、ヘルスケア、官公庁、地方自治体、製造、流通など、あらゆる業種で課題となっているTCO(Total Cost of Ownership)の削減に貢献する製品とサービスを提供するという。

InfiniBoxは、19インチ/42Uのシングルラックで最大2.78PBを実装し、99.99999%の可用性、100万IOPS以上、最大12GB+/sのスループットを実現しているという。エンドツーエンドのデータ保護、三重化冗長電源/データパス、スナップショットとレプリケーション、ホットスワップアップグレードなどを有する。

InfiniBoxの概要

インフィニダット ジャパン 代表執行役社長の岡田義一氏

インフィニダット ジャパン 代表執行役社長の岡田義一氏は「近年、IoT、AI、ビッグデータの時代を迎え、データはますます重要になっている。従来は、業務改善に取り組むためにITを使っていたが、昨今ではデータを蓄積し、次のビジネスにつなげなければならないという課題がある。日本における事業展開について重要なことは、単にディストリビューターが箱売りをするのではなく、ストレージサービスをクラウドサプライヤーやオンプレミスのITを使用している企業などに直接提供していく点だ。今回、SCSKとサービスパートナシップを締結したことで、顧客を中心にノウハウを蓄積し、次の顧客へとステップバイステップのビジネスを展開していく」と述べた。

Infinidat 創業者兼CEOのモシェ・ヤナイ氏

Infinidat 創業者兼CEOのモシェ・ヤナイ氏は「近年、データの増大に対し、パフォーマンス、信頼性を担保しつつ、コストの削減が最大の課題となっている。われわれはオールフラッシュよりもパフォーマンス、信頼性が高く、高速な製品を提供しており、ドライブはヘッドの先端部分からレーザーを射出し、ドライブ自体は従来よりも大型化している。SSDよりも安価であり、ストレージシステムのパフォーマンスと信頼性の担保は、HDDからSSDのように媒体を変える力技ではなく、コストを削減しながらソフトウェアアルゴリズムで対応し、自社のイノベーションで実現している。さらに、われわれの技術は特許を取得しており、SSDよりもレイテンシが低く、コストも低減できる。すでに金融、銀行、保険、ヘルスケア、メーカー、クラウドベンダーなどで導入されている」とInfiniBoxの優位性を強調した。

SCSK 執行役員 ITエンジニアリング事業本部の池直樹氏

SCSK 執行役員 ITエンジニアリング事業本部の池直樹氏は「Infinidat製品を提供するためのポイントは『柔軟な提供方式』『充実の技術サポート』『組み合わせによる最適化』の3つとなる。柔軟な提供方式は2つあり、1つは一括で製品を販売し、われわれが保証する。そして、もう1つが従量課金による提供となる。技術サポートに関しては、24時間365日のオンサイト保守サポートに加え、技術チームはInfinidat認定資格を取得し、ラボには検証機を設置している。組み合わせによる最適化については、サーバやミドルウェア、ネットワーク、セキュリティなど、われわれのサービスをInfiniBoxと組み合わせて提供し、顧客の多様なニーズに応える」と語った。

両社では、InfiniBoxの日本市場での拡販を推進し、初年度に10億円の売り上げを目指す。また今後、両社はInfinidatのストレージ・ソリューションの提案、検証、導入、運用・監視サービス、連携ソリューションを含めた製品を順次提供していく。

左から池氏、ヤナイ氏、岡田氏