スマホからの独り立ちはあり得るか

フィットネスバンドやスマートウォッチは、基本的に、スマートフォンのアプリと同期してデータを保存し、通信回線につながる仕組みを取っている。ウェアラブルデバイスがスマートフォンと組み合わせることを前提に成立している、スマホのコンパニオンデバイスと言われる理由だ。

2017年は、特にスマートウォッチについて、スマートフォンから切り離して機能し始めることへの期待も考えられる。

グーグルが開発するAndroid Wear 2.0では、LTE回線に対応するスマートウォッチの例が示されており、VoLTEによる音声通話の着信や、フィットネス中スマートフォンを持ち出さなくても音楽ストリーミングサービスを利用でき、またフィットネスデータをクラウドに直接アップロードすることもできる。

Google I/Oの場で受けた説明によると、スマートフォンのSIMカードと同じ電話番号の回線をスマートウォッチにも割り当てることで、手元にスマホがない場合はスマートウォッチに着信するような仕組みをとるという。

現在は親子関係となっているスマホとスマートウォッチだが、今後単体でインターネットや電話回線につながるモデルが増えてくると、より並列的な関係性になっていくことが期待される。しかしそれが、前述の「キラーアプリ」かと言われると、そうではない。

腕の次は耳?目?

これまで体や腕に身につけるタイプのウェアラブルデバイスが普及してきたが、今後はもっと異なる体の場所に、異なる目的で装着するデバイスも増えてくるだろう。

例えばアップルがリリースしたAirPodsは、左右それぞれの耳に独立して装着するヘッドフォンだが、イヤーピースを2回ノックするとSiriが立ち上がり、音声アシスタントを利用する事ができる。タイマーをセットしたり、天気を聞いたり、メッセージを送ったりでき、広い意味でのウェアラブルデバイスとして位置づけることができるだろう。

アップルが今冬にリリースしたワイヤレスイヤホンのAirPods