NECは11月4日、同5日~6日に東京湾岸エリアで開催されるスポーツ大会「ザ・コーポレートゲームズ 東京 2016 アジア パシフィック」において、ICTを活用した先進警備支援システムの実証実験を行うと発表した。

コーポレートゲームズは1980年代にイギリスで創設されて以来、世界30カ国60都市で開催され、これまで世界各国100万名以上が参加している市民参加型スポーツフェスティバル。

今回の実証実験では同社の映像解析技術や伝送技術を用いて、複数の競技会場のリアルタイム映像監視、大量の映像からの特定人物の早期検知、ドローンに搭載した無線LAN中継機によるスループット(データ伝送能力)向上に取り組む。これにより、先進警備支援システムの運用ノウハウの蓄積を図る。

具体的には、複数の競技会場のリアルタイム映像監視として、複数の競技会場に設置した定点カメラやスタッフが装着したウェアラブルカメラ、ドローンに搭載したカメラなどで撮影した各映像を競技会場から離れた統合監視室に伝送・集約し、リアルタイムに統合監視を実施。

同社の適応レート制御技術や映像鮮明化技術により、高画質かつリアルタイムな映像伝送、映像の視認性向上を実現しており、複数箇所の状況を位置情報と共に映像で把握することで、効果的・効率的な監視を目指す。

また、映像解析技術を用いた大量の映像からの特定人物の早期検知では、大量の映像から特定のパターンで出現する人物を検索する同社の人工知能ソフトウェア「NeoFace Image Data mining」を用いて、監視カメラ映像から複数の競技会場に出現する特定人物(特定のNEC社員のみ)を抽出・登録。監視カメラ映像から当該人物の出現をリアルタイムに検知し、不審行動を取らないか追跡し、大量の映像から特定人物を早期に検知する作業の効率化を図る。

さらに、ドローンに搭載した無線LAN中継機によるスループット向上については、競技会場に構築した遮蔽物(建物)を含む無線LAN環境の上空に、ドローンに搭載した無線LAN中継機を配置し、監視カメラ映像を統合監視室に伝送し、通信の高速化・安定化による高品質な映像伝送に取り組む。

なお、同社はAIやIoTを用いた熱中症などの予兆検知を目指し、選手・スタッフが着用するウェアラブルセンサから取得した生体データ、事前登録した問診データ、大会期間中の体調データの関連性を検証する実行可能性調査を合わせて実施する。