DHLサプライチェーンは7月12日、トランスポートコントロールタワーを利用した新たなソリューションを発表した。このソリューションは、トラック輸送、航空輸送、鉄道輸送を含むすべての輸配送モード、および当日配送、翌日配送、温度管理輸送、高セキュリティ輸送等の様々なサービスメニューに対応し、顧客の要件に合わせてカスマイズすることができるのが特徴。
同社は小売業者・店舗、工場、病院、エンドユーザー向けに倉庫業務と国内発送を提供する。
同社 トランスポートディレクター 池野清治氏は、同社の特徴を、「輸送業務は、設置業務などの付帯業務があるが、これらすべてを1社で提供することは難しい。弊社はさまざま協力会社のサービスをコーディネートし、トータルなサービスとして提供できるところに大きな特徴がある」と説明する。
新たなソリューションの中核を担うのが、トランスポートコントロールタワーで、同社の東京物流センター内に設置される。この組織はアナリスト、配車担当者、事務管理担当者等の計20名以上で構成され、複数の部門の国内輸配送に関連する業務を統括するサポートセンターとして、顧客からの受注管理、貨物の集約と配車の最適化、および請求・支払い業務、報告書作成、カスタマーサービス等の事務管理業務を行う。
コントロールタワーを支えるのが、輸送管理システム(TMS)、配車最適化ツール、GPS、そしてテレマティクス(車載端末との連携)を備えた統合輸配送管理システム「ConnectedTransport」。また、「ConnectedView」と呼ばれるオンライン貨物追跡サービスを通じて、貨物の状況を常時リアルタイムで確認することができる。
顧客はDHLサイトの手入力、注文書送付、顧客ERPからEDI連携などにより、CONNECTED TRANSPORTのネットワークを通して発注され、顧客はCONNECTED VIEWによって、輸送状況を確認できる |
顧客はこれらによって、配車の最適化によるコスト削減、業務の一元管理やプロセスの自動化、定時配送率の改善、積載効率の向上や車両の有効利用、業務の可視化、配車の最適化によるコスト削減、人為ミスの防止などのほか、同社の顧客90社以上との共同配送の機会を獲得できる。
今回のサービスは、これまで国内のある企業に対して提供されていたが、今回はこれを全国に水平展開する。海外でもすでに英国、タイ、中国で提供され、日本は世界で4カ国目の展開となる。
同社は、これら海外の実績を踏まえ、新ソリューションで20%のコスト削減が可能だとし、池野氏は、目標として、年内に50社と契約したいと語った。