ITホールディングスグループのTISは1月25日、産業機械から取得した稼働データを分析することで故障要因などを導き出し、生産性向上といった業務改善につなげるIoT(Internet of Things)ソリューション「メンテりてぃくす」の提供を開始した。
新ソリューションは、同社グループのクオリカの遠隔監視・予防保全システム「CareQube(ケア・キューブ) 」などにより産業機械から収集・蓄積した稼働データを、SAPのBIツール「SAP BusinessObjects BIソリューション」とデータマイニングツール「SAP Predictive Analytics」で分析・解析を行うもの。これにより、低コストかつ短期間で、産業機械から取得した稼働データを基にした、業務改善が可能になる。
新ソリューションを利用して産業機械の稼働データを解析することで、蓄積データから業務に影響を与える要因を特定する故障発生パターン導出や、生産品の不良原因分析などの稼働データの予測分析ができる。これにより、産業機械などの故障要因や製造ラインで生産される製品の不良原因などの予測や特定が可能となり、生産設備の歩留率の向上やメンテナンス工数の削減といった業務改善が実現できる。
TISは、稼働データの見える化やデータを基にした業務改善を行いたいというニーズを持つ組立製造業や生産設備メーカー、化学製造業、特殊車両メーカーなどを中心に新ソリューションを展開していき、2020年までに約20億円のビジネス規模とすることを目指す。
また、今後は製造実行システム(MES:Manufacturing Execution System)やERPなどの既存の基幹系システムのデータと稼働データを新ソリューションで組み合わせて分析することで、産業機械の稼働時間の最適化や人員配置の最適化、部品発注の自動化なども提案していく。
提供メニューは導入効果測定(PoC)サービスとデータ取込クレンジングサービス、稼動実績可視化サービス、要因分析サービス、故障予測監視サービスの5つ。提供形態はオンプレミスとSaaSの2種類があり、前者は2000万円から、後者は月額100万円で、価格は個別見積もりとなる(いずれも税別)。