IDC Japanは8月17日、世界主要地域おけるモバイルユーザーのプリント、スキャン、ドキュメント管理の実態調査結果を発表した。調査期間は2015年3月~6月。米国、ブラジル、英国、ドイツ、オーストラリア、中国の6カ国の企業勤務者(従業員数100人未満、100~999人、1,000人以上の3分類の企業規模)および一般消費者から、16歳以上のエンドユーザー2万2,041人を抽出し、さらに詳細回答者として4,125人を絞り込み、彼らに対するWeb調査となる。

今回のグローバル調査によると、ユーザー企業がモバイル端末の導入を急速に進めたことにより、モバイルのドキュメントソリューション市場は拡大し続けているという。大手・中堅企業がモバイル活用をリードしており、これらのユーザー企業の54%がスマートフォン/タブレットを導入。特に情報サービス、卸売、銀行、ライフサイエンス、資源、証券の6つの産業分野でスマートフォンとタブレットの導入率が高いことが確認された。

世界スマートフォン/タブレット プリントボリューム予測(2010年~2019年) :IDC Japan調査

「モバイル機器からPCと同じように直接プリントできること」に対するビジネス上の価値(生産性、満足度、業務スピードなど)について、75%のユーザーがPCからのプリントと同等の価値があると回答。また、15%のユーザーがモバイルプリントの方が価値が高いと回答している。つまり、約90%ものユーザーが、モバイルプリントにPCからのプリントと同等以上の価値を見いだしていることがわかる結果となった。

モバイルプリントのビジネス上の価値(PCからのプリントとの比較):IDC Japan調査

また、モバイルプリントの利点として、ドキュメント確認の迅速化、顧客満足度向上、取引処理件数の増大、新規顧客の獲得増加などが上位(上位4項目の回答比率は57~32%)に挙げられた。一方、現在のモバイルプリントの状況に満足しているユーザーは56%にとどまるという。その上、スマートフォンユーザーの35%、タブレットユーザーの34%は、モバイルプリントを必要としているにもかかわらず実施できない状況にある。スマートフォン/タブレットの導入率が上昇を続ける中、モバイル機器からプリントする機能は備わっているものの、それらは実際のモバイルプリント需要に応えられていないということが推測される。