キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、ネットワークカメラのライブ映像や録画映像の録画・再生ができるクラウドサービス「VisualStage(ヴィジュアルステージ) Type-Basic」を7月1日より開始すると発表。これにより、同社はネットワークビジュアルソリューション(NVS)市場向けにクラウドサービス事業を本格展開し、ネットワークカメラ事業を強化していく構えだ。

同社は、ネットワーク監視カメラソフトウエア市場で7年連続国内シェアNo.1(テクノ・システム・リサーチ社「2014年度ネットワークカメラ国内市場のマーケティング分析」調べ)のアロバと、ネットワーク監視カメラソフトウエアの販売代理店契約を締結。これにより、アロバ製品をベースとしたクラウド型録画サービス「VisualStage Type-Basic」を提供していくという。

同サービスは、ネットワークカメラで撮影した映像を録画し、データセンター内のクラウドサービスで管理したり、ネットワークカメラのライブ映像や録画映像をクラウドサービス環境で再生したりできるというサービス。ネットワークカメラはキヤノン製品に関わらず、対応しているという。

「VisualStage Type-Basic」サービスイメージ

従来、録画装置を店舗やオフィス内に置いていると、なかなか装置への配慮が行き届かず、衝撃を加えてしまうと、ディスクの故障などにつながっていた。同サービスではクラウド環境で録画データを管理するため、装置の設置が不要となる。

「VisualStage Type-Basic」録音再生画面。逆再生機能も搭載

また、複数拠点を同時にモニタリングすることも可能。最高で画面を36分割して、映像を確認することができる。

多彩な分割画面レイアウト

セキュリティに関しては、アロバが採用している二重鍵暗号化方式により、万一データが漏えいしても復号化鍵がないと録画データを再生できないなど、対策が施されている。

キヤノンMJは、今回のサービスをNVS市場向けクラウドサービス事業の第1弾として、まずは中小企業における防犯やモニタリングを主な用途ととして市場投入する。今後、大手中堅企業における画像解析・マーケティング分析を主な用途とするクラウドサービスや、金融機関や公共インフラにおける警備・監視を主な用途とするクラウドサービスなどを、順次市場投入していく構えだ。2016年早々には第2段サービスを提供する予定だという。

「VisualStage Type-Basic」のカメラ1台あたりの月額費用は、標準サービスVGA録画(フレームレート1fps)が保存期間7日間で3,980円、保存期間15日間で5,000円、保存期間30日間で6,000円となっている(全て税別)。ライブモニタリング再生だと、1,200円(税別)となっている。別途、アカウント登録などの初期設定費用として、1社あたり1万円(税別)の費用も発生する。このほか、標準サービスVGA録画(フレームレート3fps、5fps)や画質サービス1.3M録画(フレームレート1fps)のサービスメニューも用意されている。