TISとあくしゅは5月25日、「ネットワークやストレージを含めたシステム全体をパターンとして記述する手法」と「クラウドをまたがった資源管理を実現する仮想データセンター(VDC)技術」を組み合わせ、クラウド間の差異を吸収してシステムの可搬性を高めることで、「システムのクラウドロックイン」を打破する新しい技術を共同で開発すると発表した。ラウドロックイン」を打破する新しい技術を共同で開発すると発表した。

両社は、今の企業システムで利用されているクラウドはネットワークの機能性や提供されるサービスの内容が異なり、クラウドを越えてデータを流通させる仕組みも実装されていないため、クラウド間でのシステム移行やクラウドをまたがったデータ共有を行う際、構築の手間が増えているという現状を踏まえ、同技術の開発に踏み切ったとしている。

同技術を活用することで、さまざまなクラウド上でシステム構成や運用手順を定義したパターンから対象のシステムを構築できるようになる。

さまざまなクラウド間の差異を吸収してシステムの可搬性を高める新技術を用いたシステム構築のイメージ

また、仮想データセンターがクラウドをまたがったデータ共有を可能にすることで、さまざまなクラウドを組み合わせたシステム構築が容易となり、異なるクラウド間でのシステムの可搬性(ポータビリティ)が高まるという。

両社は2014年度に、検証で、あくしゅが提供するオンプレミス上のプライベートクラウド(Wakame-vdc)と、パブリッククラウド(Amazon Web Services)を組み合わせ、OSSの仮想ネットワークソフトウェア「OpenVNet」を用いてクラウド間にレイヤ2ネットワークを延伸することで、クラウド間をシームレスに接続することに成功した。

2015年度からは、仮想マシンの設定のほか、ネットワーク機能やストレージ機能をパターンとして記述する手法の開発・検証、クラウドをまたがった分散ストレージの検証などに着手する予定。

両社は今後、同技術をTISが開発したクラウドオーケストレーションソフトウェア「CloudConductor」と組み合わせ、企業システムへの活用を目指す。同技術は仮想ネットワークや仮想ストレージを実現するOSS(オープンソース・ソフトウェア)を組み合わせて実現され、技術自体もOSSとして公開する予定。