ここ数年で急速に増加している、企業におけるパブリッククラウドサービスの活用事例。提供サービスの母数自体が多くなったのはもちろん、ユーザーとしての経験から良し悪しを見分ける目が養われたことなどから、最近は別のクラウドサービスへの移行を考える企業も増えてきた。そこで今回は、国内でも屈指の導入企業数を誇るGMOクラウドに、クラウド to クラウドの移行に際して企業が抱える課題や解決法などを聞いた。
"見えているコスト"と"見えていないコスト"を考える
GMOクラウド 企画開発部 企画グループ 石田勝彦氏 |
GMOクラウド 企画開発部 企画グループの石田勝彦氏は「まず"見えているコスト"と"見えていないコスト"を考えることが非常に重要です」と語る。
ポイント1:急激なトラフィック増による従量課金のリスク
クラウドサービスを選定する際、多くの企業では月額費用などの見えているコストを比較するが、それだけで決めてしまうと大きな落とし穴が待ち受けている。例えば、トラフィック量に応じた従量課金制を採用しているクラウドサービスでは、ゲームやソーシャルなどのメディア系で使う場合、驚くほどコストが跳ね上がるケースも出てくる。
ポイント2:海外製サービスの場合はサポート内容もしっかりとチェック
また、サポートをはじめとしたオプションサービスについても注意が必要だ。特に海外製サービスでは無償対応の範囲が英語のみで、日本語対応を求めると別途サポート費用が発生することがある。こうした見えていないコストが積み重なることにより、「実際に導入したら当初の想定コストを大幅に上回っていた」というケースは意外に多い。
ポイント3:必要以上の機能をつけて、コストが上がっていないか?
実際に必要な機能に対してコストが見合っているかどうかという点も重要なポイントだ。例えば、どんなに機能が充実しているクラウドサービスでも、社内で管理することができなければ、対応を外部業者に任せることになり、そこでもまたコストが発生してしまう可能性がある。本当に求める機能に対して適した価格帯のクラウドサービスを選ぶことによって、全体コストの最適化につながる。
将来的なスケールアップに応じた価格の変化も重要
石田氏は「現状だけでなく、将来的なスケールアップに応じた価格の変化も重要なポイントです」と語る。
ポイント4:スケールアップ後のコストを事前に算出
最近は低価格から始められるクラウドサービスが増えているが、それはスタート段階での話だ。将来的にビジネスが拡大した際、それに伴ってクラウドサービスもスケールアップを行う必要が出てくるが、例えばメモリを増やしただけで一気にコストが上がってしまうようなケースも少なくない。また、メモリだけを増やしたいのにCPUとセットでのプランしか提供されていない、ディスク容量が50GB/100GB/500GBなど大きな単位でしか増設できないといった、スケールアップの基準は提供会社によって異なる。拡充度合いによってはコストパフォーマンスが悪化する可能性もあるので、事前に将来的なスケールアップ後の見積をとっておくことが重要だ。その際は、ゲーム系ならトラフィック量、処理能力が必要ならCPUやメモリ容量、業務利用であればディスク容量など変動の大きい要素を見極め、クラウドサービスごとのカラーと照らし合わせると分かりやすい。こうした将来的なビジネス予測を含めた部分も、見えていないコストの一つといえるだろう。
移行時にはサポートOSのバージョンなどもチェック
移行先のクラウドサービスを選定した後、実際の移行作業についても注意する点がある。クラウド環境は構築自体が容易に行える一方、移行ではハードルが一段高くなるためだ。
ポイント5:移行の前に、クラウドは本当に必要か考える
GMOクラウド株式会社 技術部 インフラセクション 立山恵士氏 |
GMOクラウド 技術部 インフラセクションの立山恵土氏は「比較的移行がしやすいWebコンテンツ系に対して、業務系は移行の難易度が上がります。例えば、OSのバージョンが変わるだけで新規開発が必要になるケースもありますので、事前にしっかりとサポートOSを確認しておくことが必要です」と、移行時のチェックポイントについて語る。
また、企業では前任のシステム管理者が辞めていて詳細が分からない、詳細を記したマニュアルも残っていない、といった状況はよくあるもの。こうした状況に陥った場合、移行作業を代行会社に依頼するのも一つの方法だ。ただし、すべてを代行会社に依頼するとかなりのコストがかかってしまう。そこで作業内容を切り分けた上で対応できる部分を社内で手がけ、それ以外を代行会社に依頼するのがベストといえる。
「移行する際は、事前にしっかりと検証を行ってください。そうした上で、場合によってはクラウドサービスよりもVPSの方が向いている、大規模でパフォーマンスを重視するなら物理サーバーを持つ、専用サーバーとクラウドのハイブリッド構成を使う、といった新しい選択肢も見えてきます。すべてをクラウド化するのではなく、よりうまく使うことが重要なのです」と、石田氏はクラウドサービス活用のポイントについて語る。
あらゆる移行ニーズに対応できる国産パブリッククラウドサービス「ALTUS」
GMOクラウドではクラウド to クラウドの移行に適した、初期費用0円の国産パブリッククラウドサービス「ALTUS」を提供している。わずか500円で本格的なクラウド環境を構築できる「Basicシリーズ」は、転送量無料でスモールスタートやWebサイト構築など初めてのクラウド利用にも最適。専用セグメント構成の「Isolateシリーズ」はインフラ運用経験のある中・上級者向けで、業務システム開発にもマッチする。Isolateシリーズに関しては、転送量無料分を含む仮想ルーターの利用が可能だ。
もちろん国産サービスであるため日本語化などの心配は無用で、24時間365日の充実したサポートを受けることができる。また、容量無制限の「オブジェクトストレージ」と連携できるのも大きなポイントといえる。
さらに、ALTUSを使うと多くのシチュエーションで機能アップと同時にコストダウン効果を期待できるが、この浮いたコストで総合マルウェア対策サービス「StopTheHacker」や、サーバーセキュリティサービス「攻撃遮断くん」といった各種セキュリティ対策まで行えるのもGMOクラウドの特徴だ。
GMOクラウドでは、移行に関しても企業の負担を軽減する複数の施策を提供している。クラウド to クラウドの支援はもちろん、お客さまの環境によっては、一部システムはオンプレと連携させるなど、ニーズや状況に合わせた提案を行っている。また、自社内での作業が難しい場合には、移行を専門で手がけているパートナーのSIerに依頼することが可能。その後の運用フェーズにおいても、設定代行を頼めるセットアップオプションをはじめ、セキュリティーオプション/監視復旧オプション/バックアップオプション/ヘルプデスクオプションという5種類のオプションが利用可能な「マネージドサービス」があるため、安心して移行に踏み切れるのである。
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このようにGMOクラウドのサービスは、クラウド to クラウドの移行においても各企業に最適な環境を提供してくれる。現状のクラウドサービスに不満を感じている企業は、ぜひ検討してみてはいかがだろうか?
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