米HPは2月19日(現地時間)、データセンター向けのオープンネットワークスイッチの新しい製品ラインを発表した。ホワイトボックス・スイッチの新たなカテゴリーであるブライトボックス・スイッチにあたる製品群であり、3月下旬より提供開始予定、価格などの詳細は発売時に公開する予定だ。

新製品群により、Webスケールの事業者やサービスプロバイダはデータセンターネットワークの柔軟な運用と管理が可能になり、クラウドやモバイル、ソーシャルメディア、ビッグデータのワークロードに対応できるという。

専任の営業チームが販売し、ハードウェアとソフトウェアの選択肢に加え、HPのテクノロジーサービス部門が世界各国においてサポートおよびサービスを実施するHPブランドのスイッチとして提供することで、ユーザー企業の要求に応え、オペレーションの合理化とサプライチェーンのリスク低減を実現するとしている。

同社は今後、台湾のAccton Technology(アクトン・テクノロジー)および米Cumulus Networks(キュムラス・ネットワークス)とのパートナーシップを通じ、Webスケールのデータセンターを手掛けるユーザー企業を対象に新製品群を提供していく予定だ。

併せて同社はCumulus Networksとの、Linuxをクラウドデータセンターに対応させる新たなパートナーシップを発表した。HPブランドのオープンネットワークスイッチに同梱するCumulus Linuxにより、ユーザー企業は、オープンソースと商用Linuxコミュニティを通じて提供される、リッチで拡張性を備えた構成・管理・オーケストレーションのツール群を活用し、自社の事業に最適なクラウドデータセンター環境を開発できるという。

新製品群の提供に際して同社は、サプライチェーンに関するリスクを低減し、世界160カ国以上でのプレゼンスと高い付加価値のサポートおよびコンサルティングサービスを提供することで、ODMや競合が手掛ける製品との差別化を図る意向だ。

新製品群は、より俊敏なITインフラストラクチャを実現し、ITサービスの提供に要する時間を短縮できるよう設計したという。ユーザー企業は標準規格に準拠するハードウェアと合理化したソフトウェアの使用により、取得コストと運用コストを最大68%削減し、総所有コストを低減できるとしている。

同社はデータセンターの最適化を目指す「スパイン-リーフ型」ネットワークを実現するための、10G/40Gまたは10Gを実装する2種類のオープンネットワークスイッチを発表。両製品ともにCumulus Linuxを同梱し、オープンネットワーク・インストール環境のブートローダを使用した、ネットワークOSのゼロタッチ・インストールが可能という。さらに2015年下半期には、より高性能な25G/50G/100Gを実装するスイッチや、ユーザー企業の独自ニーズに対応する1Gスイッチなど、製品ラインアップを拡充する予定だ。

今後同社は新たなユーザー企業のニーズに対応するため、ハードウェアとネットワークOSの選択肢を拡大していく。製品ラインアップの拡充によりユーザー企業は、特定のアプリケーションやワークロード要件に合わせてネットワーキング・インフラストラクチャをカスタマイズ可能になるという。

同社のテクノロジーサービス部門は、ユーザー企業が自社のネットワークを変革しWebスケール・データセンターを構築するため、「HP Trusted Network Transformation」により、問題や予期せぬダウンタイムの発生を未然に防止し、複雑な環境下におけるリスク管理を可能にする包括的なソリューションを提供する。同社はビルディング・ブロック型のアプローチを採用しており、付加価値を提供できる分野において自社のリソースを提供することにより、ユーザー企業の社内の専門知識を補完するとしている。