IPAは12月1日、情報セキュリティに関する「今月の呼びかけ」として、スマートフォンの不正アプリによる性的脅迫被害(セクストーション)に注意するよう、その手口と被害を回避するための対策を公開した。
今年9月以降、IPAの安心相談窓口に不正アプリによって窃取された電話帳情報とプライベートな動画を脅迫のネタにされたという相談が寄せられるようになったという。
例えば、今年9月、IPAの相談窓口に寄せられた相談では、被害者が加害者よりインストールを促されたビデオチャットアプリは電話帳情報を窃取する機能も有しており、ビデオチャットの最中の動画を保存されてしまった被害者はアプリから窃取された電話帳の登録者に動画をばらまくと脅され、金銭を要求されてしまったとのことだ。
性的脅威はセクストーション(「sex(性的な)」と「extortion(脅迫)」を組み合わせた造語)と呼ばれており、被害者のプライベートな写真や動画を入手して、それをばらまくなどと脅迫する行為を指す言葉だ。
海外ではセクストーションの存在は広く認識・問題視されており、ここ数年では、インターネットやネットワークサービスを悪用した事例が多く報じられている。
国内の手口としては、以下のような手口によるなSNSと不正アプリを用いた手口によるセクストーション被害が多発していると見られる。
SNSを通じてコンタクトを取ってくる。
ビデオチャットでプライベートな動画のやりとりをしたいと、ビデオチャット用のアプリ(実際は電話帳を窃取する機能がある不正アプリ)をインストールするように持ちかけてくる(アプリをインストールさせてから、プライベートな動画のやりとりを持ちかけてくる場合もある)。
不正アプリを通じて電話帳の情報を窃取され、プライベートな動画のやりとりを行ったときの動画データを保存される。
窃取した電話帳の登録者にプライベートな動画をばらまくと脅され、金銭を要求される。
IPAはセクストーションへの対策として、「アプリは信頼できるマーケットから入手すること」「プライベートな写真や動画は第三者に渡さないこと」を挙げている。