もはや当たり前のように行われるWeb解析。現在では、多種多様な解析ツールが公開されており、ノウハウも蓄積されてマーケティングなどに活用されている。だが、これらのほとんどはPCからのアクセスを前提としたもの。スマートフォンなどのモバイル端末についての解析は、まだまだこれからというのが現状である。

2014年12月9日、秋葉原UDXにて開催される「マイナビニュースフォーラム2014」では、データ活用をテーマに最新のトピックスを紹介する予定となっている。今回、同フォーラムのセッションに登壇予定である株式会社ユーザーローカルの渡邊和行氏に、スマートフォンにおけるWeb解析の現状について解説いただいた。

マイナビニュース フォーラム 2014 Winter for データ活用」の参加申し込みはこちら(参加費無料、12月9日(火)開催、東京都千代田区、開場9:30~)

Web解析はPC前提が8割。一方、アクセスの半数以上はスマートフォン

株式会社ユーザーローカル
取締役 COO 渡邊和行氏

ユーザーローカルは、ビッグデータ分析に特化したさまざまなマーケティングツールを提供する企業である。同社が提供するヒートマップを用いた可視化が特徴的な「User Insight」は、ユーザー動向を直感的に把握できるものとして、大きな支持を集め、大手企業を中心に500社を超えるサイトで利用され、そのほか無料で提供しているツールを含めると20万を超えるサイトで利用されている。そこから得られた情報によると、「おそらく、現在のWeb解析は、その8割がPCからのアクセスを前提としていると思われます」と渡邊氏はいう。

その一方で、多くのWebサイトにおいて、スマートフォンからのアクセスがPCのそれを凌駕しつつある現状も存在する。

「弊社のクライアントサイトの平均的なイメージとしては、2年前までは6割がPCからのアクセスでした。それが1年前でほぼ五分五分。おそらく、今ではスマートフォンのほうが多いでしょう。ここ1~2年の環境の変化は、実感としてもの凄いものがあります」(渡邊氏)

スマートフォンのアクセス解析は、まだまだこれからの未知なる世界

スマートフォンが本格的に普及し始めて、まだ数年程度。現在は、「ようやく企業もスマートフォン向けに最適化したサイトを用意してみたという段階」というのが渡邊氏の見立てである。まだ十分な検証が行われておらず、現状のスマートフォン向けサイトは「制作者や管理者目線で設計されているケースが多いと感じています」とのことだ。

「今、はやりのレスポンシブWebデザインも、ユーザーから見て便利かどうかの検証を行っているサイトが多いとはいえません。ただ、スマートフォンユーザーが広がる速度を考えると、そろそろ"とりあえず作った"から、次の段階に移行する時期だと考えています」(渡邊氏)

PCのみならず、スマートフォンやタブレットからのアクセスにも対応した解析ツール「User Insight」

この1年で蓄積したスマートフォンのWeb解析事例を公開

同社は2013年12月に、スマートフォンサイト訪問者の一人ひとりのタッチ操作が解析できる機能を備え、スマートフォンやタブレットのヒートマップ分析が可能な「User Insight」の新バージョンをリリースした。その後、現在まで約200社が新規に導入し、実際にスマートフォンからのアクセスに対するWeb解析を実行中とのことだ。そして、今回のセッションでは、具体的な導入事例をもとに、PCとスマートフォンの違いを紹介する予定となっている。

「PCとスマートフォンのユーザー動向をヒートマップで見ると、その違いは一目瞭然です。それをぜひ、ご覧ください」(渡邊氏)

今後、増え続けるスマートフォンからのアクセスに対応するためにも、企業のマーケティング担当はもちろん、Web制作者にとっても必見のセッションといえるだろう。