大日本印刷(DNP)は11月7日、印刷やフォトプリント事業を通じて培ってきた画像処理の要素技術をパッケージ化すると発表した。企業が自社の製品やサービスに組み込めるライブラリとして販売する。

第1弾は、簡単な操作で画像中の主要な被写体部分を高精細に切り抜くことができる「画像切抜きライブラリ」、画像の中から人の顔を識別して性別や年代を推定する「顔画像属性推定ライブラリ」の2種。

「画像切抜きライブラリ」は、画像中の被写体の輪郭をラフに指定するだけで、高精細に被写体を切り抜き、高品質な"切り抜きマスク"を生成。これを使用して、他の画像データを使って違和感のない合成画像を作成できる。

例えば、テーマパークやゲームセンターのエンターテイメント用システム・機器への組み込みや、髪型や衣装などのシミュレーションを行うスマートフォン向けアプリケーションへの組み込み利用が考えられる。

「画像切抜きライブラリ」左から元画像、切り抜きマスク、背景を合成した画像

「顔画像属性推定ライブラリ」は、画像中の人の顔を認識し、その性別や年代を自動的に推定。正面から捉えた顔を対象として、男女別に各7区分(~10代未満、10代、20代、30代、40代、50代、60代以上)の推定を行う。

例えば、性別・年代別に広告や推奨商品の情報を表示するデジタルサイネージ機器への組み込みや、来店者の性別・年代を把握し、サービスの利用実態を自動計測するリサーチツールへの組み込みが利用が考えられる。

「顔画像属性推定ライブラリ」

価格は、画像切抜きライブラリが640万円(200ライセンス込)から、顔画像属性推定ライブラリが660万円(30ライセンス込)から(いずれも税別)。

DNPでは、本プログラムをデジタル画像処理を行う企業や、デジタル画像処理のプログラムやソフトを開発している企業を中心に幅広く提供し、3年間で約3億円の売上を目指し、要素技術のパッケージ化を進め、商品ラインアップを増やしていく。