いつも笑顔で、強いことは言えない「いい人」。もし、自分の身に覚えがあるという場合、人の上に立つようになった時は、少し意識を変えたほうが良いかもしれない。

Open Forumの記事「物腰が低い人はリーダーとして成功するか?(原題:Can Polite People Be Successful Leaders?)」によると、いい人はリーダーに向かないが、いくつか留意すべきポイントを抑えることで、改善できるという。

いつも笑顔……は止めよう

いつもニコニコしている人は、周囲にどんな風に思われているだろうか? 「優しい」、もしくは「話しやすい」といった印象かもしれない。

話しやすい上司、優しい上司というのはもちろんアリだが、迫力や気概に欠けると思われる可能性もある。

尊敬する上司というよりも、「気さくな上司」と思われている場合、ここぞという時に「自分の想い」が伝わらないという問題が出てくる。

ミーティングなどの席で、部下にプロジェクトの重要性や目標達成の必要をわかってもらう時も、笑顔で言ってしまったら、あなたの真剣さは伝わらない。

笑顔と真顔を使い分けるようにしたいものだ。

言葉遣い

上の立場にある人が、「思ったんだけど……」「ひょっとして…・・」といった曖昧な言葉遣いをするのは良くない。

相手の顔色をうかがったり、相手にうかがいを立てるような表現は、自分に自信がない人という印象を与えてしまう。

上記のような表現は、部下にしてみれば決定事項ではなく変更可能で、もっと言うなら反論できてしまう。

相手に何かをやってもらいたい場合には「……したらどうか」といったように、明確な意思表現を使おう。

謝ってばかりはNG

日本語の「ごめん」は便利だ。本当に謝罪すべき時ではなくても、話すきっかけに「ごめん」を使うことだってできる。

だが、必要以上に「ごめん」を利用する人から、強さや真剣さは伝わらない。ためしに週明けの1日だけ、「ごめん」なしで会話してみよう。

話しかける時に、ちょっとした会話の中で「ごめん」を除くとどうなるか。余計な言葉が減って、よりストレートに物事を伝えられるようになるはずだ。そうすれば、指示された部下も伝わりやすい。

そんなにぺこぺこしなくて良いんだ、と思えるようになればしめたもの。リーダーとしての自覚も向上していくだろう。

事実に向き合う

"いい人"にとっては、これが一番難しい指摘かもしれない。

あなたは部下のミスや間違いに対して、正確に指摘しているだろうか? 「大したことないよ」と言葉を和らげながら指摘しているのか、あるいは指摘すらしないのか?

人間なのだから、得意な人がいれば、苦手な人がいるのも当たり前だ。だが、管理する側になるとそうは言ってられない。苦手な部下を避けている自覚がある場合、すぐにでもその習慣をやめて、実際に思っていることを率直に相手に伝えるべきだろう。