日本電気(NEC)は9月11日、「SDN(Software-Defined Networking)」を活用して構築したネットワークが、正しく動作することを高速に検証可能なソフトウェア技術を開発したと発表した。
同技術は、アプリケーションソフトウェアでネットワークを制御することによって生じる、ネットワーク内の状態変化を把握し、制御するアプリケーションソフトウェアの高速な動作検証を可能にする。
同技術の特長としては、「重複する「ネットワーク状態」の検証を省略」、「通信パケットの移動順番を考慮して検証」、「共通な属性を持つ通信パケットの検証処理をまとめて実施」の3つが挙げられている。
- 重複する「ネットワーク状態」の検証を省略 : SDNを活用したネットワークでは、アプリケーションソフトウェアでネットワークを制御することによりネットワーク機器の状態変化や、通信パケットの移動などが生じる。ネットワークの動作検証は、これら変化が起きた各瞬間を「ネットワーク状態」として規定して実施する。同技術では、「ネットワーク状態」の検証における行程履歴を記録・管理することで、既に検証が済んでいる「ネットワーク状態」と同一の状態は検証を省略する。
- 通信パケットの移動順番を考慮して検証 : 従来の技術では、複数の通信パケットが同一の送信先へ移動する際、スイッチを経由する順番を組み合わせた全ての「ネットワーク状態」を検証していたが、同技術では、順番を問わず、1通りの移動順の組み合わせのみ検証を行う。
- 共通な属性を持つ通信パケットの検証処理をまとめて実施 : 通信パケットの送信先アドレスなど属性情報ごとの動作検証では、送信先のアドレスなど、共通の属性情報を保有する通信パケットの検証処理をまとめて実施し、検証が必要となる「ネットワーク状態」の数を大幅に削減する。
これら技術により、従来のモデル検査の典型的な探索方式である「深さ優先探索方式」と比較し、約10倍の速さでSDNを活用したネットワークの動作検証が可能になるという。
同社は、今後もSDN事業の強化を進めていく予定としている。