NTTコミュニケーションズは4月21日、Webブラウザ間でリアルタイム通信を実現するWebRTC(Web Real-Time Communications)技術を活用したWebアプリケーションサービス「WebRTC Chat on SkyWay」の無償トライアル版の提供を開始した。
同サービスのサイトにアクセスするだけで、直観的かつ安心・安全にリアルタイムコミュニケーションを利用できる。また同社は同日、HTML5技術を活用したアプリケーションやWebサイトなどの先端的な事例を紹介するWebサイト「HTML5 Experts Works」を開始した。
NTT Comは、2013年7月よりHTML5を活用した新たなICTサービスの開発を推進するプロジェクト「NTTコミュニケーションズ HTML5ラボ」を展開している。「WebRTC Chat on SkyWay」および「HTML5 Experts Works」の開始は、HTML5ラボにおける取り組み。
WebRTCは、パソコンやスマートフォンのWebブラウザ間で、ポイントtoポイントでの映像やデータ通信を実現する技術。従来のWebサービスのように通信時にサーバーを介さないため、Webサービスのリアルタイム性向上と低コスト化が期待されている。
また、従来のポイントtoポイント型のサービスは、パソコンなどの端末側に専用アプリケーションを必要とするものであったが、WebRTCでは既存のブラウザを用いるため低コストのサービス開発が可能だ。
WebRTC Chat on SkyWayは、従来のWebサービスとは異なり、発言内容をサーバーに履歴として残さず、通信自体も暗号化されているため、プライバシー性の高い通信サービスを実現している。
一般的なポイントtoポイント型のサービスは、違法データの交換に利用されやすいことが懸念されているが、WebRTCではチャット開始/切断時の接続情報が標準的に保存されるため、万一の事態に対応することが可能。同トライアルでは、これらのログの適切な運用・管理を行うことで、安心・安全なリアルタイムサービスの実現を目指す。
サービスは会員登録が不要であり、サービスサイトにアクセスするだけで、気軽に利用できる。また、手軽なリアルタイムサービス性を高めるために、画像や効果音などを用いた、直観的なユーザー体験を提供するとのことだ。
NTT Comでは、WebRTCサービスを提供していく際に今後必要となるサーバシステムの冗長化や柔軟な拡張方法など、信頼性の高いシステムの実現方式を明らかにしていくため、WebRTC Chat on SkyWayの提供を通して得られた知見を「SkyWay」へ反映し、可用性の高いWebRTCプラットフォーム機能を順次追加していくとしている。
また、日本初のHTML5技術専門サイトである「HTML5 Experts.jp」の関連サイトとして、Web技術専門家が開発したHTML5技術による高品質なアプリケーションやWebサイトを紹介する「HTML5 Experts Works」を開設した。このサイトでは、HTML5技術の最先端の活用事例を簡単に検索できる。使用されている要素技術で絞り込んで検索できるため、最新技術の採用状況を調査できる。