カスペルスキーは、2014年1月におけるスパムの監視結果を発表した。1月の世界の電子メールトラフィックにおけるスパムの割合は、前月より7.6ポイント減って65.7%となった。発表によれば、例年1月初旬にはスパムの活動が停滞するという。また、マルウェアランキングでは、Trojan-Spy.HTML.Fraud.genが1月も首位をキープした。

今回同社では、スマートフォン向けメッセンジャー「WhatsApp」を騙る電子メールを検知した。メールに添付された圧縮ファイルは、「友達からの写真である」と書かれているが、実際には悪質なプログラムが格納されていた。このプログラムは、被害者のPCに別のマルウェアをダウンロードし、個人情報を盗むことを主な機能とするバックドアだ。

1月に流通したスパムメールには、個人宅や店舗の安全を守るビデオ監視システムをテーマとしたものがあった。この種の英語のスパムは、個人の身の安全をうたい、夫や妻さらには個人宅を訪れる保健師や作業員の監視を勧めている。

ほかの時事に合わせたスパムメールの内容としては、イスラエルのシャロン元首相と南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領の死に便乗したナイジェリアのメールがある。あるスパムは、故大統領の2番目の妻の弁護士を騙るものから送信されており、この夫人と彼女の弁護士が多額の金銭と金の延べ棒を手に入れ、それを投資する際の手助けをしてくれる信頼がおける外国籍の人物を探していると書かれていた。似たような別のメールは、マンデラ氏の3番目の妻であるグラサ・マシェル夫人の名を騙って送られた。このスパムでは、マンデラ氏の家族内での彼の遺産をめぐる争いについて語られ、受信者の同情を誘っていた。詐欺師は、この資産を送金するので、受信者の口座で安全に保管してくれるよう求めていた。

最も流行したマルウェアランキングでは、Trojan-Spy.HTML.Fraud.genが1月も首位をキープした。Fraud.genはスプーフィング技術を使うトロイの木馬プログラムであり、有名な銀行、オンラインストア、ソフトウェアベンダーなどからの通知メールを装ってHTML形式で配信される。ユーザーがページを開き、ログイン情報を入力すると、その情報はサイバー犯罪者らの手に渡り、彼らに被害者の個人情報へのフルアクセス権を与えてしまう。

スパムの送信国ランキングでは、米国(21.9%)が中国を抜いて首位になった。中国(16%)は7ポイントダウンして2位に後退し、韓国(12.5%)は3位を維持している。