サイボウズ株式会社が送る業務改善クラウド「kintone」。導入の手軽さ、モバイル対応、コミュニケーションツールとしての有効性など、その実力についてはこれまでの記事でご理解いただけたことだろう。
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だが、いくら手軽で便利であっても、いきなりまるっと既存のシステムと入れ替えるのは非現実的な話である。とは言え「kintone」が持つゲストスペースなどの機能は、CRM(顧客関係管理)の観点からも非常に魅力的だ。なんとか、既存の基幹システムと「kintone」が持つ機能を組み合わせることはできないものか。
そこで三たび、サイボウズ株式会社のkintoneエバンジェリストである田村 悠揮氏にご登場いただこう。
「kintoneには他のシステムと連携するための、豊富なRESTAPIと画面カスタマイズ用のJavaScriptAPIが揃っています」(田村氏)
では、その具体的な例を紹介していこう。
既存システムとの連携を可能にする「kintone API」
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サイボウズ株式会社 ビジネスマーケティング本部 kintoneエバンジェリスト 田村 悠揮氏 |
サイボウズが公開している「kintone API」は大きく分類すると「JavaScript API」と「REST API」の2種類がある。前者はフロントエンドとなる画面を、後者はバックエンドとなるデータ連携をカスタマイズする。
このAPIを利用すれば、他のシステムで利用しているデータを「kintone」で利用したり、逆に「kintone」で蓄積したデータを他のシステムで利用することも可能となる。なお、これらのAPIは「cybozu.com developers」にてドキュメントとサンプルコードが公開されている。
「kintone」のアプリ作成には専門的な知識はほとんど不要だったが、APIの利用には、ある程度の専門的な知識が必要となる。だが、それは決して難しいものではない。
では次に、この「kintone API」を利用した具体的な事例を2つ紹介しよう。
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【利用事例1】「営業部門向け」地図と連携した案件管理
「kintone」のモバイルアプリから、既存の顧客管理データベースにアクセスして本日の訪問予定の顧客情報を取得。さらにGoogle mapなどのインターネットサービスと連携して地図上に訪問場所を表示。
具体的な手順は以下の通り。
- 訪問先の情報を取得(使用API:レコード一覧取得)
- 住所から位置情報を取得しMAPに表示
- 訪問後には案件管理へ報告をアップ(使用API:レコード更新)
これにより事前に訪問場所の地図をプリントアウトする必要もなくなる。また、場所を問わずに最新の顧客情報にアクセスできるため、急な訪問が発生した場合でも適切な対応が可能となる。
【利用事例2】「経理部門向け」会計システムと連携した各種申請・承認プロセス
経費や売上を入力し帳簿作成を行うことを目的としていた会計システムに、申請から承認までのプロセスを記録する機能を追加。「kintone」で作成したアプリケーションと既存システムとの連携を、APIを用いて行う。
具体的な手順は以下の通り。
- 申請者が費用申請を「kintone」で行う
- 管理者が承認を、経理担当が確認を行う
- 上記手続きが完了したデータを会計システムに登録(使用API:レコード取得API)
申請から承認までの流れがスムーズになる。また、プロセスが明確になったため、不適切な経費の申請を防ぐことが可能になる。
手間と時間を掛けずに、既存のシステムに新たな機能を追加
近年、モバイルやクラウドの普及により、業務のあり方も大きな変化が起きている。その変化に対応するためにも、今後はシステムの改良が必要となるケースは増えてくることだろう。とは言え、システムの改良は簡単にできることではない。例えば、既存の業務システムに前述した2つの機能を追加する場合、それを外注先に依頼すれば、かなりの費用と時間を要求されることだろう。
だが、「kintoneで必要となるアプリを作成し、APIで連携する。こうすれば既存のシステムに新たな機能を、簡単に追加することができます」田村氏
ある程度の専門的な知識があれば、情報システム部門で十分にカスタマイズすることができる。業務改善のためにシステムの改良が必要であれば、検討する価値は十分にある。
サイボウズでは、「kintone」の使い方について解説するセミナーを全国で開催している。また、「30日無償お試し版」も公開しているので、「kintone」でどのようなことができるのか、興味を持った方は是非とも試してみていただきたい。
kintone 全国セミナー
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