京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は2014年1月27日、災害時に地域住民への速やかな情報伝達を可能とする、小型・軽量で省電力、可搬型のケーブルテレビ応急復旧無線システム「ワイヤレスリンク23G」を発表した。2014年2月1日から提供を開始する。
同社は、総務省情報通信ネットワークにおける耐災害性強化のための研究開発である「災害時におけるケーブルテレビ応急復旧システム(幹線応急復旧用無線伝送装置)の研究開発」を受託し、ケーブルテレビの幹線伝送路設備を応急復旧するための無線伝送装置の研究開発に取り組んでいた。そして、2013年2月に宮城県気仙沼市で実施した実証実験において、その有効性を確認し、ケーブルテレビ応急復旧無線システムとして商用提供の開始に至った。
本システムにより、災害時にケーブルテレビが早期に復旧し、地域住民にとって身近な情報源であるテレビ放送やコミュニティチャンネルを通じて、災害復旧に必要不可欠な、きめ細やかな情報を速やかに提供することが可能となる。
ワイヤレスリンク23Gは、有線テレビジョン放送事業者に割り当てられている23GHz帯の周波数を用いて、陸上移動局として最大39チャンネルのデジタル放送信号の無線伝送が可能、固定局として使用する場合は62チャンネルまで対応することができる。伝送距離に応じて2種類のパラボラアンテナ(0.3m径、0.6m径)を用意しており、伝送品質を維持しながら3km程度まで伝送可能だ。発電機などで使われるAC100Vと車載バッテリーで使われるDC12V(車載バッテリーを想定)の2種類の電源供給への対応、同軸ケーブル網および光ファイバ網のどちらの幹線にも接続可能など、さまざまな状況で活用することができる。