IDC Japanは12月13日、2013年版の国内ストレージチャネル調査の結果を発表した。同社では、2011年から国内外付型ディスクストレージシステム市場に関するチャネル調査を行っており、今回が3回目。

調査は、国内のディスクストレージシステムベンダーとチャネルパートナーに取材を行い、外付型ディスクストレージシステムのチャネルタイプ別出荷実績や予測を行うほか、チャネルパートナーのディスクストレージシステムベンダーに対する満足度調査も行った。

国内外付型ディスクストレージシステムのチャネル別売上額(2010年~2012年) 資料:IDC Japan

これによると、2012年の国内外付型ディスクストレージシステム市場では直接販売の売上額が前年比6.4%落ち込む一方、間接販売の売上額は同9.2%増加。また、チャネルパートナーのストレージベンダーに対する満足度調査では、チャネルパートナーの「総合満足度」には、「販売/顧客開拓サポート」の満足度が最も影響を与えていることが分かった。

2012年の国内外付型ディスクストレージシステム市場の落ち込みは、前年の大型案件の反動のほか、メインフレームの落ち込みなどが影響。一方、間接販売の成長は、仮想化環境(サーバ仮想化、デスクトップ仮想化)におけるチャネルパートナーのビジネスの拡大や、間接販売志向を強めているディスクストレージシステムベンダーのシェア拡大などが影響。

2011年から2012年にかけて、国内外付型ディスクストレージシステムの間接販売市場でベンダーシェアが大きく変動。この期間に間接販売市場においてシェアを伸ばしたベンダーに共通する項目としては、「仮想化環境におけるエコシステムの構築」、「ストレージニーズの多様化への対応」、「チャネルパートナー重視の明確化」、「サービスプロバイダー市場での需要獲得」などを積極的に進めたことが挙げられる。

また、同調査ではIDCが外付型ディスクストレージシステムのチャネルパートナーに実施した、ディスクストレージシステムベンダーに対する満足度と評価の結果も分析している。同調査では、「総合満足度」のほか、「製品/ソリューション競争力」、「パートナー契約/パートナープログラム」、「販売/顧客開拓サポート」、「情報提供/教育」、「保守サポート」の5項目について質問。今回の調査で、最も満足度が高かったのが「製品/ソリューション競争力」で、これは、2011年から2012年にかけて国内市場で多くのストレージの新製品が出揃い、チャネルパートナーがその販売について経験を積んだ後で、「製品/ソリューション競争力」への評価が安定化してきたためと考えられる。

一方、ベンダーに対する「総合満足度」への影響度では、「販売/顧客開拓サポート」が第1位の項目となりました。2012年の調査では「製品/ソリューション競争力」が総合満足度に影響を与える第1位の項目だったが、今回の調査では入れ替わった。これは、チャネルパートナーがそのストレージビジネスを成長させるために、販売/顧客開拓の活動においてベンダーとの協業をより強く求めるようになってきたためと考えられる。

同社は、「ディスクストレージシステム市場の成長セグメントがミッドレンジ/ローエンド製品にシフトするに伴い、チャネルパートナーとの協業の重要性が増している。チャネルパートナー戦略の巧拙がディスクストレージシステムベンダーの国内ストレージ市場におけるビジネス機会の獲得にも大きな影響を与えるようになってきている」と分析している。