NECは11月15日、ベクトル型スーパーコンピュータ「SXシリーズ」における最新モデル「SX-ACE」を同日より日本国内および海外向けに販売開始すると発表した。

「SX-ACE」

「SX-ACE」は、「SXシリーズ」初となるマルチコア型ベクトルCPUを搭載し、単一ラック当たりの性能は前機種に比べ10倍に向上。また、NEC独自の最先端LSIテクノロジ、高密度設計、高効率冷却技術などにより、従来機種と比較し、消費電力を10分の1、設置面積を5分の1に低減した。

ベクトル型スーパーコンピュータは、科学技術計算や大規模データの高速処理を得意とし、気象予報、地球環境変動解析、流体解析、ナノテクノロジーや新規素材開発などのシミュレーションにおいて高いアプリケーション性能を実現する。

従来のSXベクトルアーキテクチャを継承しつつ、アーキテクチャの強化と低消費電力設計により、64ギガフロップス(GFLOPS：1秒間に10億回の浮動小数点演算性能)、および単一コアメモリ帯域となる64ギガバイト/秒を実現。

「SXシリーズ」初となる新開発マルチコア・ベクトルCPUには、高性能コアを4つ搭載し、256ギガフロップスの演算性能と256ギガバイト/秒のメモリ帯域を実現する。このマルチコア・ベクトルCPUを1ノードとして、片方向あたり最大8ギガバイト/秒の超高速インターコネクトにより、1ラックあたりノードカードを最大64枚搭載し、16テラフロップスのラック演算性能、および16テラバイト/秒のメモリ帯域を実現し、最大8ラックで、512ノードを接続し、演算性能131テラフロップス(TFLOPS：1秒間に1兆回の浮動小数点演算性能)となるクラスタシステムを構成する。

新製品の販売価格は、レンタルで月額450万円から。

なお、NECは、「SX-ACE」の後継機として、従来のスーパーコンピュータ領域に加えて、産業応用領域やビッグデータ解析をターゲットとした次世代高性能サーバの検討を開始した。