富士ゼロックスは10月28日、業務課題の解決を支援するアプリケーションソフトウェアがインストールされたボックスを活用した特定業務向けソリューション「授業支援ボックス」を発表した。標準価格は55万円(税別)で、11月25日より販売を開始する。

授業支援ボックス

大学の授業では、出席票による出席確認やテスト、レポートなどが依然として紙文書によって行われているのが一般的である。回収した出席票や答案用紙を学生ごとにソートする作業や、採点結果のフィードバック、採点結果を電子データに変換して学習支援システム(LMS:Learning Management System)に登録するなどの作業に手間がかかっている。

授業支援ボックスによる教育現場の改善効果

授業支援ボックスは、出席票やテスト、レポートの採点結果を集計し学習支援システムに一括登録、採点集計結果の確認やフィードバックにかかる教員の工数を削減し、研究活動や授業の準備へ注力できるソリューションだ。また学生は、PCなどから学習支援システムを利用して採点結果をタイムリーに受けられることにより、モチベーションの向上が見込めるとともに、教員の学習支援システム利用者拡大による教育の質の向上も期待できるという。

授業支援ボックスの利用イメージ

授業支援ボックスでは、スキャンした出席票、テスト、レポートなどの紙文書と学習支援システムとの連携に2次元コードを利用するほか、文書の背景にコード情報を目立たせずに埋め込む新技術「MISTCODE(Micro-dot Iterated and Superimposed Tag CODE)」にも対応する。この技術の特長は、既存の文書・帳票レイアウトの変更が不要で、デジタル複合機やスキャナーで印刷・検出できることである。出席票、テスト、レポートを出力した紙にコード情報が埋め込まれ、学習支援システムと連携するための専用フォームとなる。

また、テストやレポートの手書き文字を認識する技術も採用し、採点結果の集計などに活用している。視覚情報処理の仕組みを利用し、脳の働きと同じように、学習することで認識率を高め、自由に手書きされた文字を認識することが可能である。きれいに整った形の文字に対してはもちろん、読みにくい文字に対しても一般の認識装置に比べて高い認識率を示すという。