日本ワムネットは10月18日、米Content Ravenと独占販売代理店契約を締結し、クラウドベースのドキュメントセキュリティサービス「GigaCC View」(ギガシーシー ビュー)として、国内において11月20日より提供すると発表した。
同社は2002年より一般企業向けオンラインストレージ&コミュニケーションプラットフォーム「GigaCC」を提供しており、同社の主力サービスとなっている。製造、金融業を中心に、オフィスのドキュメントのファイルのやりとりに利用されているという。
GigaCC Viewは、配信相手先には実際のファイルを渡さずに、その利用・閲覧を送り手側がコントロールしながら、ストリーミング形式でその中身だけを受け手に閲覧させることを可能とするクラウドサービス。
相手先には専用クライアントソフトのインストールの必要がなく、インターネット環境及びブラウザ、無償プラグイン(Microsoft Silverlight)があれば閲覧ができる。
「GigaCC View」は、「GigaCC」のラインナップの1つとして提供される。サービス開始当初は別々のサービスとして提供されるが、今後はファイル自身を送付するのか、ストリーミング形式で提供するのかを、相手によって選択できるようにするという。
対応ファイル形式は、Microsoft Word/Excel/PowerPoint、PDF、Flash、HTML、動画・音声(MP4/MP3/WMV/AVI)、画像(JPEG/GIF/BMP/TIFF)だ。
日本ワムネット 代表取締役社長 福井信之氏は、「オンラインストレージは、クラウドサービスにおいては、有望な市場だ。企業には、機密性のあるファイルを相手企業に渡したくないというニーズがある」とサービスを開始した背景を説明した。
GigaCC Viewでは、配信ファイルに対して、受信側で閲覧できる端末台数、閲覧可能期限、印刷可否、透かし、モバイルデバイスでのオフライン環境での閲覧可否などの設定が可能。コピー&ペーストもできない。
価格は、初期費用が5万円で、月額利用料は容量によって異なり、5GB 8万1,600円(年間契約の場合)から利用できる。
日本ワムネット 営業部 部長 井澤浩一氏は、「DRM(デジタル著作権管理)もあるが、DRMは大量配布する場合に不正コピーを防ぐためのシステムだ。DRMは、対応コンテンツの拡張性に制限があり、専用環境を構築しなければならない。また、専用アプリケーションを配布する必要もあり、運用までにお金と時間が必要という課題がある。企業の機密情報は、Excel、Word、PowerPoint、動画など多岐に渡っており、少量である場合が多い。DRMはあわない」と、GigaCC ViewがDRMよりも手軽に導入できる点をアピールした。
同社では、マニュアルの配布、社内教育ビデオの閲覧、動画コンテンツの海外プロモーションなどを活用シーンとして想定しており、3年後に3億円の販売を目指す。