情報通信研究機構(NICT)と川村インターナショナルは、IT英文マニュアルに特化した英文を日本語に自動翻訳する技術について共同開発を進め、人手翻訳のコストを30%削減した英日の「自動翻訳ソフトウェア」を開発し、10月1日より同ソフトウェアを活用したサービスの提供を開始した。

IT分野においては、大量の英文マニュアルを迅速に日本語に翻訳する業務が少なくない。そのため、最先端のデータ処理技術や翻訳ツール・自動翻訳技術の活用などにより、翻訳のコスト削減と納期短縮を図る必要があった。しかしながら、従来の英語から日本語への自動翻訳技術の品質では、実際の業務には活用できないという課題が残されていた。

今回、川村インターナショナルが保有するネットワーク機器やセキュリティなどのIT分野の利用に関する対訳データやIT分野特有の表現に関する翻訳ノウハウと、NICTのIT関連企業が持つ翻訳資産にカスタマイズ可能な自動翻訳技術を活用することで、IT英文マニュアルに特化した実用的な英日自動翻訳ソフトウェアを共同で開発した。

利用者が頻繁に使用する用語や利用者の過去の対訳データを追加することで、利用者独自の翻訳エンジンにカスタマイズすることができるという。川村インターナショナルの調べによれば、本ソフトウェアは、機械翻訳の結果を人手で後編集することにより、人手翻訳のコストを30%削減することが可能とのことだ。

英日自動翻訳ソフトウェアによって、川村インターナショナルは、「各種文書を自動翻訳し、その結果を人手により後編集して翻訳するサービス」「オンラインで自動翻訳するサービス」などを開始するという。