日立製作所は9月30日、クラウド型健康支援サービス「はらすまダイエット」のラインアップに「はらすまダイエット/遠隔保健指導」を追加し、企業などの健康保険組合に向けて10月1日から販売を開始します。このメインサービスは、減量プログラム「はらすまダイエット」の手法を活用したものであり、企業の健康保険組合などの公的医療保険の運営主体が行う特定保健指導や従業員の健康管理としての生活習慣改善を支援する。
新しく追加されたサービスは、自社の従業員など公的医療保険加入者の中で内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)と判定され、その改善が必要となった特定保健指導対象者(参加者)のために、企業の健康保険組合などの指導者が行う特定保健指導を日立が代行するものである。指導者が不在の健康保険組合でも、本サービスを活用することで、特定保健指導の実施が可能となる。
なお、減量に向けた生活習慣の改善目標などを設定する初回面接は、指導者が夜間や休日にも対応するため、参加者はタブレットデバイスやPCなど任意の端末からインターネットテレビ電話を活用して、業務時間を避けて実施することができる。
心疾患や脳血管疾患などにつながるメタボリックシンドロームに該当する人は、予備群を併せて国内で約2,000万人と言われる。この対策として厚生労働省は、2008年4月から「特定健診・特定保健指導」の制度を開始し、健康保険組合に対して健診と保健指導の実施を求めている。しかし実態として、指導者となる保健師の不足や参加者の業務状況により、初回面接の時間を確保することが難しく、特定保健指導をなかなか始められないという課題があった。そのため厚生労働省は、特定保健指導の利用率の向上を目的に、2013年8月1日付けの通達でICTを活用した遠隔地から初回面接を実施することを許可した。
同サービスでは、日立が管理栄養士などの資格を有した指導者を準備し、クラウド(SaaS型)で参加者へ提供するサービス・はらすまダイエットを活用して、参加者への特定保健指導を代行する。具体的には、インターネットテレビ電話を活用して遠隔地からの初回面接を実施し、参加者がはらすまダイエットを活用して取り組む減量を支援するためのアドバイスをメールで送信する。また、特定保健指導の終了時には、指導者が参加者へ支援した内容を最終評価報告としてXML形式のデータにまとめ、健康保険組合へ提出する。
インターネットテレビ電話を活用した初回面接の画面 |