使われずに放置されたままのYahoo! IDのユーザーネームを再配布する作業を進めている米Yahoo!は15日(米国時間)、ユーザーから取得したいユーザーネームのリクエストを受け付ける「Wish List」ページを開設した。希望のユーザーネームを最大5つまで登録できる。受け付け期間は太平洋夏時間の8月7日11時59分まで。取得できる場合は8月中旬に登録したメールアドレスに通知が届く。

再配布されるユーザーネームの取得希望を受け付けるWish Listページ

すでにたくさんの人がアカウントを取得しているYahoo!では、シンプルに自分の名前やニックネームなどをユーザーネームにしたYahoo! IDを新たに作成するのはほぼ不可能だ。新規アカウントでは多くの人が「albert93033@yahoo.com」というように、アルファベットと数字を組み合わせた長いユーザーネームでYahoo! IDを登録している。しかし、新規アカウント作成時にユーザーが希望して取得できなかったユーザーネームの中には使われずに放置されたままのものがたくさんあるという。そこでYahoo!は同社のサービスを好んで使ってくれるユーザーが希望のユーザーネームを使用できるように、12カ月以上使われていないユーザーネームを再配布する。Wish Listページで希望したユーザーネームの取得が認められた場合、受け取ったメールに記されたリンクから48時間以内に申し込むと取得が完了する。

Yahoo! IDはメールアドレスであり、それをショッピングサイトやSNSなどオンラインサービスの登録に用いている人は多い。Yahoo!メールアドレスの所有者が変わると、こうしたサービスの利用で混乱が起こり得る。それを避けるためにYahoo!はIETF (インターネット技術タスクフォース)で標準化が進められた「Require-Recipient-Valid-Since」ヘッダを採用する。例えば、Yahoo! IDのメールアドレスを使っているFacebookユーザーがFacebookのパスワード・リセットを要求してきた場合、FacebookはRequire-Recipient-Valid-Sinceヘッダをリセット用のメールに追加する。これを確認したYahoo!はメールをユーザーに届ける前に、ヘッダから最後にFacebookアカウントの本人確認が行われた日付を確認する。それが再配布されたYahoo!ユーザーネームで、最後の本人確認日が再配布よりも前だったらメールを現在のYahoo!メールアドレスの所有者に届けずにFacebookに返す。送り返されたFacebookは他の方法でユーザーに連絡することになる。以上は現在Facebookと進めているソリューションであり、日付に基づいて受取人/受取アカウントを判断する方法は利用するサービスがそれぞれカスタマイズできるようになるという。