ネットアップは7月10日、同社のストレージOSの最新版「clustered Data ONTAP 8.2」を国内向けにリリースした。

clustered Data ONTAPは、ファイバチャネル、FCoE、iSCSI、NFS、SMB/CIFSなど、マルチプロトコルに対応するスケールアウト型OSで、異なる機種な世代のストレージを単一のストレージプールとして利用できるクラスタ機能も持つ。そのほか、メンテナンスの際、切り離すストレージのデータを他のストレージに複製し、アクセスを継続できるため、高い可用性を実現する。

米NetApp Data ONTAP/管理製品グループ 戦略/プロダクトマネジメント担当 バイス プレジデント ジョン・フレデリクセン氏

米NetApp Data ONTAP/管理製品グループ 戦略/プロダクトマネジメント担当 バイス プレジデント ジョン・フレデリクセン氏は「ITに求められる新たな課題は、即応性に優れた大規模環境の構築で、SLAは交渉ベースからサービスベースへ、プロビジョニングは週単位から分単位へ、インフラはサイロ化/専用から、共有/統合になり、可用性では一切の停止が許されない」と述べ、新OSの機能強化ポイントを説明した。

同氏によれば最新の8.2では、ノンストップオペレーション、サービス品質(QoS)、次世代バックアップ、拡張性、導入に関して特徴的な機能拡張が行われたという。

8.2の特徴的な新機能

ノンストップオペレーションでは、ストレージコントローラのアップグレード中でも継続的にデータアクセスが可能となり、可用性を強化。拡張性では、最大で69ペタバイトのストレージ容量と24のコントローラノード、49,000のLUN(Logical Unit Number)、12,000のNASボリュームまで拡張できるようになった。

拡張性を強化

サービス品質ではQoSによる制御を可能にし、ワークロードパフォーマンスをファイル別、ボリューム別、SVM別、LUN別に設定することが可能になった。

QoSによる制御

バックアップでは、バックアップの際も重複排除や圧縮ができるようになり、利用する帯域幅を減らし、リカバリーも高速にできるようになっている。

バックアップを強化

さらに、導入を容易にするため、スイッチレスのシングルノードクラスタや2ノードクラスタ構成もサポートすることで、小規模構成からの導入が可能になっている。

同社では今後、clustered Data ONTAPをメインOSと位置づけ、旧OSの7-Modeからの移行を推進。そのため、新バージョンでは、7-Modeからの移行ツールも提供する。

導入を容易に

そのほか、Windows Server 2012から提供されたSMB 3.0やODXへの対応など、Microsoft仮想環境へのサポートを強化したほか、VMware vSphere Storage API、Horizon Suite、vCloud Suite向けの拡張サポートにより、VMwareの共有インフラ/ハイブリッドクラウド環境への対応を強化している。

ネットアップ マーケティング本部長 ダニエル ハンソン氏

ネットアップ マーケティング本部長 ダニエル ハンソン氏は、3年で国内売り上げを2倍にし、今年度も20%以上の成長を遂げるという同社の目標を説明。そのための社内体制の強化として、各事業部門のエースを集結したタイガーチームを設立したことや、国内構築ノウハウを多面展開していく方針を紹介した。また、パートナー向けのトレーニングを強化するほか、導入前のユーザーに向けたワークショップも開催していくという。

同氏は「8.2を待って導入したいというお客様がたくさんいる」と、新OSによる導入拡大に期待を寄せた。