日立製作所と博報堂は27日、両社が進めるビッグデータ利活用協働プロジェクト「マーケット・インテリジェンス・ラボ」の活動として、「ビッグデータで取り扱う生活者情報に関する意識調査」の結果を発表した。

同調査は、商品の購入履歴やGPSによる位置情報のように、特定の個人を必ずしも識別しないものの、個人の生活にかかわるさまざまな情報(生活者情報)をビッグデータとして扱われることに対し、生活者の声をまとめたものであり、2013年3月22日、インターネットを用い、全国の20~60代の男女1,030名を対象に実施。

ビッグデータの処理技術の進展に伴い、生活者情報が各方面で利活用されるようになりつつあることに対して、生活者自身がどのように意識しているかを把握するために行われた。ビジネスや公共の分野において、自身の生活者情報が利用されることに対する期待や不安、抵抗感の軽減方法までが総合的に調べられた。

調査の結果、生活者は自身の生活者情報がビッグデータとして企業などで利活用されることに不安や抵抗感を持っている一方で期待も感じていたことがわかった。また、抵抗感を軽減するためには、自分で情報を制御できる環境の実現や匿名化技術の使用、企業などの情報管理体制の整備、当局の取締りや罰則強化などの対策が有効であることなどが判明。

日立製作所と博報堂は発表で、特定の個人を識別できない生活者情報は個人情報保護法の保護対象にならないが、適切に扱わなければプライバシーの侵害が問題視されるケースもあることを取り上げ、生活者サイドもそうした配慮を求めているとまとめた。