顧客、上司、同僚、そして家族や友人――相手を問わず、会話の半分を占める「聞く」行為が見直されている。話し上手は聞き上手という言葉通り、「聞く」スキルを上げれば会話全体をうまく進めることができる。
話し方にのハウツーは多いが、聞き方について語られることは少ない。Open Forumが「相手の話を中断する : 会話をよりよいものにするために(原題 : Interrupting People: The Key to Better Conversations)」という記事で、そのポイントを挙げているので紹介したい。
聞き上手といっても、黙って聞いているのが「上手」ではない。聞くことが大半を占めるカウンセラーにとって、最初に学習するのが「アクティブリスニング」だ。積極的(アクティブ)という言葉通り、黙って聞くのではなく相手の真意を探ったり確認するような質問をすることが要求される。そのためには、相手の発言をよく考えながら消化する必要があり、時として相手の話を中断しなければならない。「聞く」と「中断」――相反する行為だが、この2つのスキルをともにマスターしてこそ、"聞き上手"といえるだろう。
大切なのは「聞く」と「中断」のバランス。適切なタイミングで聞き、中断する必要がある。そのためには、以下のような中断の方法を知っておくとよいという。
質問とともに中断
中断が相手の心理に与える悪いインパクトは、話したいと思っていたときに邪魔されたとか、拒絶されたと感じることだ。だが、質問による中断であれば、相手は継続して話すことができ、あなたは積極性を示したことになる。感動詞を効果的に使う
「ほぉ」「あら」「まぁ」「なるほど」の感動詞(間投詞)は、会話を継続しながら同意、や反感、感動などを示すことができる便利な道具だ。たとえば、「あら」に続けて「私も……ですよ」と短く言えば、相手はさらに深いレベルの話をするかもしれないし、その後の会話のきっかけ作りにもなる。「そうなの?」だけでも、会話に心地よいリズムが生まれるだろう。
重要なこととして、黙って聞くことは聞き上手ではないが、失敗も少ない。一方、「中断」は一歩間違えると相手は拒絶と感じるので注意が必要だ。だが中断がうまくなれば、相手が誰であれ会話の腕を上げることができる。