NECは、通信事業者のコアネットワーク向けに、OpenFlowに対応したスイッチを開発したと発表した。
今回開発したOpenFlow対応スイッチは、MPLS-TPによる高品質な通信とOpenFlowによる柔軟な経路制御などの通信を、任意に組み合わせ使い分けることが可能。データ転送技術として、通常のネットワークで利用するTCP/IP通信を識別し、MPLS-TP通信への転送を制御することができる。また、MPLS-TP通信では通信の信頼性、優先度を高度に設定できる。これにより、コンテンツやサービスなど、求められる信頼性の違いに応じ優先度をつけたネットワーク構築を実現できるという。
本スイッチを、通信事業者のコアネットワークで利用した場合、障害発生時の障害箇所の迅速な回避や経路変更、などが可能となる。また、ネットワークでのSDN化により、通信事業者はサービス機能追加などが容易になり、顧客であるサービス事業者の要求に応じて柔軟かつ迅速に対応できるようになる。
今回同社では、本スイッチを用いて、情報通信研究機構(NICT)と共同で、広域実験用ネットワークで映像伝送実験を行い、0.02秒と短時間で障害復旧可能な高信頼な運用が可能なことを確認した。
実証実験としては、NICTの広域実験用ネットワークであるJGN-Xを経由して、沖縄県名護市から東京までプロ野球オープン戦の高精細な映像データ(4K)の伝送を行った。
実験では、MPLS-TPによる通信と、OpenFlowを用いた経路変更を連動し、通信事業者向けの高品質なネットワークでの映像伝送、および、回線切断の試験を行った。
回線切断・復旧については、通信障害の検出から復旧までの時間が、MPLS-TP通信時0.02秒程度と、高信頼な通信の目安となる0.05秒よりも十分に短時間での復旧を実現し、現状の通信事業者のサービス品質に耐えうる高信頼な運用が行えることを確認したという。