デルは3月6日、決算月である2月が終了したことを受け、プレス向けの事業戦略説明会を開催した。

デル 代表取締役社長 郡信一郎氏

デル 代表取締役社長 郡信一郎氏は、日本での事業開始から20年目という節目を迎えるにあたり、「デルは常に、お客様とダイレクトな関係を築くことを大切にしてきた。これまでデルは社員を増やすことで事業を拡大してきたが、2007年あたりから、買収も1つの戦略として捉え、近年は20社以上の企業を買収している。ビジネスを行う上では、いかにお客様に満足いただきながら製品を提供していくかが大切で、日本では品質・サポートが重要だ」と述べた。

そして、日本法人のデルとして、8割はグローバル共通のサービス、2割は日本独自に、品質・サポート向上に向けたサービスを提供していくと語った。

デルの日本における20年の歩み

郡氏は、FY14の注力分野として、「クラウド」、「セキュリティ」、「製品・サービス」の3つを挙げ、クラウドに関しては、米国で提供中のプライベートホステッドクラウドサービスの国内提供を2014年1月までに開始する意向を示した。

これについて、郡氏は「これまではいかにクラウドに移行していくかをお手伝いし、そのためのプライベートクラウドの構築を行ってきたが、お客様からは、デルでクラウドを提供してくれないか、ハイブリッドクラウドの構築を手伝ってほしいというリクエストが増えている。今後は、ホスティングクラウドを提供していく1年にしていきたい」と述べた。また、その際には、マイグレーションツールを含めて、移行をサポートしていくという。

クラウド分野

セキュリティについては、「日々巧妙さが加速しており、社員のワークスタイルの変化による複雑性も増している。今後は、SecureWorks、SonicWALL、シンクライアントなど、サービスから製品までをしっかりサポートしていく。また、セキュリティポリシーの概念の部分からお手伝いするコンサルティングや監視代行サービスなども提供し、セキュリティにおいても、日本のトッププレイヤーを目指したい」と語った。

セキュリティ分野

製品・サービスについては、最適なIT環境をエンド・ツー・エンドで提供することに注力にしており、Fluidデータアーキテクチャーによるストレージの自動的な最適化や、ActiveInfrastructureによるサーバ管理で、より効率的で集約されたサーバ&ストレージ環境を提供していくとした。

製品・サービス

上場廃止による変化はない

また、先日発表された上場廃止について郡氏は、「まだ、手続きが完了していないので、ワールドワイドにおいても、日本にもおいても変化はない」と語り、非上場のメリットについては、4半期単位の業績に縛られることなく、1年後、2年後を見据え、中・長期的な戦略に基づいて事業を行える点を挙げた。