電子認証サービスを提供するGMOグローバルサインは2月27日、日本において導入が検討されているインターネットを活用した選挙運動の解禁に向け、第三者による偽サイトや偽メールといったなりすまし行為を防止する「候補者認証サービス」「国会議員認証サービス」「政党認証サービス」を3月下旬から提供開始すると発表した。

同サービスは選挙の候補者、国会議員および政党向けに提供されるもので、同日から事前申込みの受け付けを開始している。それぞれ、Webサイト用、電子メール用の証明書サービスを提供。認証期間は候補者の場合には選挙期間中、国会議員は任期期間、政党は1~2年ごとの更新で、認証局である同社が候補者や国会議員、政党を認証して、その実在性およびWebサイトや電子メールが公式であることを証明するものとなっている。

GMOインターネット 代表取締役会長兼社長・グループ代表
熊谷 正寿氏

サービス価格は、同社の法人向けの証明書サービスと比較して安価に抑えられている。さらに、同社ではWebサイト用の証明書については各党に寄付で提供する。電子メール用の証明書は有料となるが、これは政治資金規正法による上限額のため寄付での提供ができないとのことで、発表会に登壇したGMOインターネット 代表取締役会長兼社長・グループ代表の熊谷 正寿氏も「電子メール用も可能であれば寄付としたかった」とコメントしている。

これらの政党や候補者の認証サービスについて、自由民主党や民主党など既存の政党も「歓迎する」とコメントしており、すでにいくつかの政党では導入を決定しているという。

熊谷氏は、グローバルでのネット選挙に触れ、「主要国ではネット選挙が解禁され、さらにネット投票も実施・テストしている国もある。日本においても、ネット選挙の解禁は、世界の流れから見て必然のこと」とした上で、「ネット選挙解禁をぜひ実現してほしい」とコメントした。

GMOグローバルサイン 常務取締役
武信 浩史氏

また、GMOグローバルサイン 常務取締役の武信 浩史氏は、「ネット選挙では、第三者による候補者や政党のなりすまし行為の可能性がある。Webサイトや電子メールでそのような行為を防ぐには、証明書が唯一の手段」とその重要性を説明。

今回のサービスでは、公式サイトにバナー画像のように表示できるサイトシールを用意。クリックすることで、そのサイトの認証情報を見られるようになっているが、同氏は、安心・安全なネット選挙の実現を目指すとともに、投票者となる情報閲覧者に向けても「(サイトの実在性を確認するために)みなさんに電子証明書をクリックする習慣をぜひつけてもらいたい」とコメントしている。

候補者認証ウェブサイト用証明書の利用イメージ

候補者認証電子メール用証明書の利用イメージ