NECは7日、愛知県豊橋市(人口38万人)、岡崎市(同37.8万人)から、両市が共同で利用する税総合システムを受注し、このシステムをクラウドサービスにより提供すると発表した。

両市によるサービスの利用は、2015年1月より開始予定で、中核市における税総合システムのクラウドサービスによる共同利用は全国で初めての事例となる。

サービスの利用イメージ

税総合システムは、個人住民税や法人市民税、固定資産税など各税金の賦課徴収や収納に関わる処理を行うシステムで、両市はこれまで、それぞれ独自にシステムを構築・運用していた。しかし、両市は職員の負担軽減や、システム運用・維持コストの削減、環境変化への迅速な対応を可能にする先進のシステム基盤を求め、今回のサービスの利用に至った。

両市は、共同でNECの高セキュア・高信頼なデータセンターに設置された税総合システムを利用することにより、情報漏洩の回避や災害時の事業継続性の確保が可能となる。また、これまで自庁内でそれぞれ管理・運用していたシステムについて、NECが提供するクラウドサービスを利用することで、システム運用と保守に関する長期的な職員負荷、更に制度改正に向けたシステム改修などの人的およびITコストの軽減を目指す。

岡崎市は、単独でシステムをサービス利用する場合と比較し、システム開発費と運用保守費を5年間で約5.5億円、45%削減可能と見込んでいる。さらに両市は、自前のシステム運用から今後サービス利用に切り替えることにより確保できる職員のリソースを住民サービスの強化に活用することで、一層の住民満足度向上を目指す。

NECは、このたび、中大規模団体向け住民情報パッケージシステムのうち税業務領域について、サービス提供を行い、今後、その他の団体へ本サービスの利用を提案していくとともに、クラウドサービスのメニューの拡充と事業強化を図り、地方公共団体のサービス向上に貢献していく。