SAPは5日、同社のパートナービジネス戦略に関する発表会を行った。発表会にはSAP グローバルエコシステム&チャネル プレジデントのエリック・デュフォー氏とSAPジャパン バイスプレジデント エコシステム&チャネル統括本部長 早川典之氏が登壇した。

グローバルエコシステム&チャネル プレジデント エリック・デュフォー氏

バイスプレジデント エコシステム&チャネル統括本部長 早川典之氏

最初にデュフォー氏は2015年に向けたSAPの不変の目標として「世界をRun Betterに」、「人々の生活を豊かに」というビジョンを紹介し、SAPは全ての顧客の「ベスト・ラン・ビジネス」をサポートすることをミッションとした。その上で2015年に売上高2.2兆円/利益率35%/10億人のユーザ/データベース市場で最速の成長という4つの目標を掲げた。

2015年の目標

顧客が求めている変化は「すぐに使え、即効性があり、リアルタイムにつながる1つのセグメント」とし、クラウドであれビッグデータであれ、それらはクラウドの中で変化し加速していく、として業界や顧客ニーズの変化を紹介した。

顧客が求めている変化

デュフォー氏は、戦略の礎石としてHANAと5マーケットカテゴリによる成長について述べ、SAPが成長させる市場は2010年には10兆円($110B)だったものが、2015年には21兆円($230B)に拡大すると予想し、クラウドやデータベーステクノロジー、モバイルといったプラットフォームによってそれらは実現される、とした。フレームワークとして「SAP HANA」そして「サイベースのテクノロジー」などによって「我々がNO.1のビジネスアプリケーションとプラットフォームを提供する企業になる」と意気込みを見せた。

キーポイントはSAP HANA

エコシステム&チャネルの2015年のゴールとして、アプリケーション/アナリティクス/モバイル/データベース&テクノロジー/クラウドといった5つのマーケット・カテゴリにおける成長の促進を図る、とした。

エコシステムが目指す2015年のゴール

2010年と2012年の成果を比較した場合の主要な成果としては、OEMで日立のJP1にソリューションを提供するなどしてOEMのビジネスは2年間で3倍に拡大し、パートナー売り上げ比率が25%が34%に増加。インダイレクト顧客数は65,000社から91,500社に、パートナー数は10,500社から12,300社に拡大した。認定技術者数は270,000人から360,000人に増大、そのうちHANAの技術者数は3,000人でモバイルの技術者数は8,000人とした。

2010年と2012年の比較

SAPジャパンエコシステム&チャネルの2013年にフォーカスする項目について、バイスプレジデント エコシステム&チャネル統括本部長 早川典之氏が登壇した。

SAPジャパン2013年フォーカス

フォーカスしている項目は先日の安斎社長が登壇した際に紹介した内容を踏襲しており、「5ピラーソリューションによる協業と成長」、「RTMの拡大とGlobalizationの推進」、「Co-Innovationとリソース強化」といった3つの項目を挙げた。そして、従来ERPだけを販売していた顧客に、それ以上の付加価値をつけてソリューションの提供を行ったり、NTTデータとグローバルで協力していくようなパートナーや、認定資格者を増やしたりといった活動をしていくと強調した。

日本独自のクラウドサービスを提供している企業のモチベートをどうやって挙げていくかが重要であるとした上で、エコシステムmのチャネルとしてもSMB市場に対しても力を入れていく、とした。