日本オラクルは、1月21日、同社の2013年の取り組みをプレス向けに説明した。この中で、同社 代表執行役社長 最高経営責任者 遠藤隆雄氏は、2013年のキーワードは「飛躍」だと述べた。
同氏は、1月4日に発表した年頭所感の中で「飛躍」について、「2013年は、古くなった仕組みに終止符を打って全く新しいものを創りあげる、日本を再生する、「Regeneration」の年としていきます。そして、私たち日本オラクルはこうした再生を継続的に支援することで大きな「飛躍」の年にしてまいります」と述べている。
遠藤氏は説明会での冒頭、同社のFY13の上半期(6月~11月)の業績に触れ、「ファーストハーフは大変好調で、とくにデータベースとミドルウェアのテクノロジー製品が新規で20%増を達成し、成長に対するはずみがついた。来年度も持続させていきたい」と好調な業績を強調。
そして、同社がこれまで掲げてきた「SIMPLIFY IT」と「POWER EXTREAM INNOVATION」で、顧客にイノベーションやコスト削減をスピーディに提供していきたいとした。
遠藤氏は2013年の同社の戦略について、「業界に特化した差別化できるソリューションを持っていることがオラクルの強みなので、この武器を最大限活用し、クラウドでの提供も視野に入れていく。そのため、オンプレミスだけでなく、プライベートクラウド、パブリッククラウド、それをつなげるハイブリッドクラウドなど、いろんな形態で提供していき、オラクルのブランドバリューを訴求していきたい。そして、テクノロジー・イノベータにビジネスモデル・イノベータとしての役割を加え、お客様といっしょにイノベーションを支援できる会社というイメージにブランドを変革していく。お客様からはベンダーではなく、ビジネスパートナーだと思ってもらえるような会社にしていきたい」と述べた。
2013年の注力分野としては「Engineered Sysytems」、「クラウド」、[Cutomer Experience(CX)」を挙げ、Engineered Sysytemsについては、「垂直統合でお客様のトータルバリューを提供していく。そのためには、すべてのレイヤーで業界最前線をいき、それらを統合して提供し、スイッチを入れればすぐに使える環境を提供ていくことがお客様のスピーディなイノベーションにつながる」と語った。
クラウドについては、「オラクルしかできないクラウドワールドを築いていきたい」との述べ、Customer Experienceについては、「購買サイクルの中でお客様の売り上げ、競争力、好感度を上げるため、ワールドワイドで実績のあるベストプラクティスを提供していく」とした。
続いて登壇した副社長執行役員 ソフトウェアライセンス事業 大塚俊彦氏は、「イノベーションに貢献するということは、経営に貢献することだ。テクノロジーパートナー加えてビジネスパートナーになるためには、インダストリーアプリケーションが戦略上のキーワードとなる。オラクルは18カ月で18社を買収しており、うち14社がアプリケーション領域だ。キーワードはクラウドで、CX/Social/Cloud領域にフォーカスしている」と、ポートフォリオを拡充し、顧客に提供できるソリューションは揃っている点を強調。
内部体制では、インダストリー営業力強化のため、昨年から5つの営業本部体制を敷いているという。また、これらをサポートする部隊として「エンタープライズ・ソリューション本部」を設け、組織横断的な支援を行っていくという。
そして、今年もっとも強化していきたいのは、「グローバル化する企業をどうお手伝いしていくか」だといい、グローバルリソース&アセットという400名程度の部隊で、グローバルの成功事例、知恵の共有化を図っていくという。