日本マイクロソフトは1月21日、Microsoft System Centerおよび Windows Intuneの最新版提供に伴う記者説明会を開催した。米Microsoftは1月15日に、System Center 2012 Service Pack 1(SP1)と、強化されたWindows Intuneを発表している。

これらの新製品は同社のクラウドOSのビジョンに基づいて機能強化されている。クラウドOSは、オンプレミス環境だけでなく、Windows Azure、顧客のデータセンター、サービスプロバイダーのデータセンターの管理を一貫した形で提供するプラットフォーム。クラウドOSの主要構成要素は管理機能と自動化機能で、製品の中心となるのは、Windows ServerとWindows Azure。

System Center 2012 Service Pack 1(SP1)には、Operations Manager、Configuration Manager、Data Protection Manager、Service Manager、Virtual Machine Manager、Endpoint Protection、Orchestrator、App Controllerが含まれ、App Controllerでは、1つの画面からオンプレミス、Windows Azure、サービスプロバイダーのクラウド環境のいずれにも、テンプレートを利用して仮想環境を構築できる。

また、データ喪失や破壊に備えて、自社のサーバを Windows Azureにバックアップすることが可能になっている。

そのほか、Windows AzureベースのサービスであるGlobal Service Monitorをサポートし、ウェブアプリケーションの性能測定機能も提供される。

また、System Center 2012 SP1では、ServiceProvider Foundation APIが提供され、ホスティングパートナーが、基盤とアプリケーションのセルフサービス型管理を実現できるようになっている。

管理ポータル画面での仮想マシンの作成

Runbookデザイナーにより自動処理の定義

Operations Managerによるアプリの性能監視

Microsoft System Center 2012 SPには、1台の物理サーバ上で2つまでのOSE(オペレーティングシステム環境)を管理できるStandardと、1台の物理サーバ上で無制限のOSEを管理できるDatacenterの2つの製品がある。Standardの価格は1ライセンス18万8,100円、Datacenterは51万2,400円。なお、ライセンスはプロセッサ単位で提供され、1つのライセンスを最大2つの物理プロセッサで使用することができる。

一方、Windows Intuneは企業のクライアント PCの運用管理とマルウェア対策を提供するSaaSサービス。今回Windows Intuneではライセンス体系が変更され、デバイス単位からユーザーライセンスになり、ひとりあたり5台まで管理でき、料金は月額490円となっている。また、System Center 2012 Configuration ManagerとSystem Center 2012 Endpoint Protectionの利用権も同梱される。また、Windows Software Assurance (SA) の有無を選択可能になっている。

Windows Intuneのライセンス

日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部長 梅田成二氏

日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部長 梅田成二氏は、「国内のシステム管理ツール市場は2,750億円くらいで、メインフレーム系が多い。市場は年率3%で成長しているが、クラウド、仮想化管理を行うツールは急成長しており、年率50%程度成長している。Windows Server 2012も順調に伸長しており、Windows Server 2008 R2に比べ、導入数は21%、Hyper-Vアプリケーションは24%、パートナーエンジニアは41%、評価ダウンロード数は318%増えている(マイクロソフト調べ)。これは、Windows Server 2012では、仮想化管理系の機能やBCPなど、メリットがわかりやすい機能を追加しているため、このあたりが評価されている。また、仮想化はこれまで1つのテクノロジーを利用するケースが多かったが、LinuxであればVMwareやXen、Windows ServerであればHyper-Vといういう具合に使い分けするケースが増えている」と語った。