ソフトバンクテレコムは、クラーロ、三啓と連携し、全国的な病理医不足へ対応し地域の医療格差の是正を支援する「遠隔病理コンサルテーション支援サービス」を、現在試験導入中の複数の自治体・検査機関等での実績を踏まえ、来年1月から正式サービスとして提供を開始すると発表した。

遠隔病理コンサルテーション支援サービスのイメージ図

本サービスは、病理医が常勤している中核病院と病理医がいない中小病院などをネットワークで結び、術中迅速診断、複数医師のコンサルテーションによるがん診断の均てん化や精度管理などを低価格で容易に実現する遠隔診断ネットワークの構築支援サービス。

手術中に患者から摘出された病理標本の顕微鏡画像やバーチャルスライド画像を、ネットワークを通じて遠方にいる病理医に転送し、リアルタイムに病理診断を行う「迅速病理診断」が可能となるなど、病理医不足問題や地域の医療格差是正において大きな期待が寄せられている。

ソフトバンクテレコムは、同社の統合VPNサービス「ホワイトクラウド SmartVPN」と、クラーロが開発した細胞組織の顕微鏡画像を合成して統合的に電子化する装置「バーチャルスライドスキャナ fino(フィノ)」および三啓が開発した顕微鏡・ライブ画像やバーチャルスライド画像を遠隔地に転送する独自のネットワーク技術「Pratico (プラチコ)」をセットにすることで、高い品質・信頼性とこれまでにないコストパフォーマンスを兼ね備えたワンストップのソリューションサービスとして実用化し、月額料金体系で10万円/月から提供する。

今回実用化に成功した「スライドスキャナー fino」および「Pratico」は、価格を従来の千数百万円を超す高価なものから、セット価格においても低価格に抑えることに成功。これにより、機器(資産)購入にかかる多大な初期投資が不要となり、予算の少ない中小・地域の病院での導入が一気に現実的になった。

ソフトバンクテレコムでは、今後、クラウドサービスと親和性の高い統合VPNサービス「ホワイトクラウド SmartVPN」を中核に、ICT利活用による病理診断のネットワーク化をいっそう推進し、デバイスから症例データベースクラウドまでのトータルソリューションの提供を目指す。