IDC Japanは12月3日、2013年の世界IT市場を特色付ける技術や市場トレンド、ベンダーの動きなど主要10項目を発表した。
それによると、2013年の最も重要な事象は、2012年と同様に、IDCが「第3のITプラットフォーム」と呼ぶ「モビリティ」「クラウド」「ソーシャル技術」「ビッグデータ」の4つのITの成長とイノベーションが構築される土俵で起こる。これらは、「2013年にはより喫緊の課題となり、より大きなうねりとなり、市場参入のフェーズから、食うか食われるかの競争のフェーズに移行する」とされている。
2013年の世界IT市場におけるIDC Top 10 Predictionsの概要は下記のとおり。
- 世界のIT支出
2013年の世界のIT支出は、前年比5.7%増の2.1兆ドル超となり、モビリティ、クラウド、ソーシャル技術、ビッグデータという第3のITプラットフォームと新興国市場の2桁成長に牽引
- 新興国のIT支出
新興国におけるIT支出は前年比8.8%増の7,300億ドルに達し、先進国の成長率の2倍、全IT支出の34%、全IT支出増加分の51%を占める
- モバイルデバイス
スマートモバイルデバイス(SMD:スマートフォンおよびタブレット)のIT支出額は前年比20%増で、全IT支出の20%を占め、IT支出増加分の57%を占める。SMDを除くと、IT支出は前年比2.9%増しか見込めない
- ミニが牽引するタブレットの急成長
8インチ以下の画面サイズを持つミニタブレットがタブレットの出荷台数の60%を占め、2012年の33%から飛躍的に増加
- モバイルソフトウェアは総決算の年
ソフトウェア開発者からの「とても興味がある」という回答率が半数の壁を越えられないと、モバイルプラットフォームは、衰退の道を歩み始める。現在、その回答率は、マイクロソフトでは33%、RIMは9%
- SaaS技術の買収合戦が過熱
今後20か月の間にSaaS技術の買収に250億ドル以上が支出され、過去20か月の170億ドルから増加
- 業種特化型PaaS(Industry as a Service)の台頭
2012年には100以下であった業種特化型のパブリッククラウドサービスプラットフォームが、2016年までに10倍に増える。一方、水平型PaaSはコモディティ化
- 事業部門トップ(LOB Executives)の役割が増加
2016年までにIT投資の80%以上の案件に事業部門トップが関わることとなり、さらにその中の半数以上で、事業部門トップが最終意思決定者
- 第3のITプラットフォームデータセンター(DC)による市場破壊
コンバージドシステムとSDN(Software Defined Networks)がDC市場の成長を牽引し、市場シェアに変動をもたらす。BYOID(Bring Your Own ID)がエンタープライズセキュリティ分野にコンシューマライゼーションをもたらす
- ビッグデータ─検索から、発見、予測へ
ビジュアル探索、予測分析、テキストおよびリッチメディア分析分野で、ビッグデータ技術の買収(M&A)が起こる